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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』1999年11月号
荒川区議会議員 斉藤ゆうこ
去る十月十六、十七日の両日、朝鮮統一支持運動第十八回全国集会が、東京・一ツ橋の日本教育会館で開催されました。この集会は朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会、日朝文化交流協会、朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会、日朝学術教育交流協会の四者を中心に、全国で朝鮮統一運動や日朝友好運動にとりくむ団体や組織が一九八二年以来毎年開催してきたものです。今年は、日教組、自治労、全港湾、国労、全水道などの全国単組や東水労・東京、千葉や神奈川の高教組など首都圏の労働組合に加え、関東甲信越各県の連帯組織が実行委員会を作って準備を進めてきました。
第一日目は、午後から「日朝国交正常化促進シンポジウム」と題して、埼玉大学名誉教授の鎌倉孝夫氏をコーディネーターに、隅谷三喜男氏、武者小路公秀氏、津和慶子氏がパネリストとして討論しました。ナイ報告から最近のペリー報告に至るアメリカのアジア戦略、対朝鮮政策をどう見るか。北東アジアの情勢について、また、その中での日朝国交正常化の見通しなどが議論されました。私は、武者小路先生が「日朝国交正常化の前提に日米の関係正常化こそ必要」として日米関係の健全化、つまり日本の自主平和外交について展開されたのが印象に残りました。また、会場から「女性のピースライン訪朝団」の団長として金容淳・朝鮮労働党書記と会見して帰国した朝鮮女性と連帯する会の清水澄子参議院議員が発言。この間の世論や昨年九月の朝鮮民主主義人民共和国に抗議した国会決議にふれて、「誰が悪いとかダメだとか言っていても問題は解決しない。自分ひとりでも行動する必要性を痛感している」との発言も印象的でした。
翌二日目は、槙枝元文氏が実行委員会を代表して主催者挨拶を行い、若林熈・支持委員会事務局長が基調報告を行ったあと、竹岡勝美・元防衛庁官房長が「超党派の『朝鮮半島和平使節団』を派遣せよ」と題して記念講演をしました。午後からは、「朝鮮半島をめぐる国際情勢と日朝関係」「民族教育と民族的諸権利」「日朝友好連帯運動」の三つの分科会が行われ、全国からの参加者が経験交流や活動報告を交えて議論しました。
私は一番目の分科会に参加しましたが、鎌倉孝夫氏がアメリカの動向に関連して「政権基盤が軍需産業中心から金融資本中心に移行している」と述べた点、北川広和氏が米朝合意とペリー報告を分析して「必ずしもアメリカの狙いどおりに進んでいない」と述べた点など注目すべき発言がありました。
全体としては、歴史認識問題とわが国の自主・平和外交とを結びつけたもっとつっこんだ議論が欲しいと感じました。今後、広範な民間交流を通じて、朝鮮民主主義人民共和国についての正確な認識を深め、国交正常化の決断を政府に迫る世論づくりが必要です。全国の広範な国民連合賛同人の皆さんも、ご一緒に頑張りましょう。