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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』1999年6月号
5月24日、自自連立政権は公明党をだきこみ、新ガイドライン関連法を成立させました。
新ガイドライン関連法は、米軍が朝鮮半島や台湾海峡など日本の領域外の紛争に軍事介入すれば、自衛隊に米軍の一翼を担わせ、政府機関、地方自治体、民間を米軍の後方支援に動員する法律です。
政府と国会はこの憲法違反の法律によって、日本をアメリカの世界戦略にしばりつけ、アジアに破壊と流血の惨事をもたらす危険な道に踏み込みました。
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新ガイドライン関連法の成立によって、アメリカがアジア(特に朝鮮半島)で軍事力を行使する可能性はきわめて現実的なものになってきました。
アメリカのバブル経済はいつはじけても不思議ではない状態です。経済の面からも、「有事のドル買い」「戦後の復興需要」につながる「北朝鮮空爆」は、アメリカにとって魅力的なものです。
アメリカの一極支配となった冷戦後の10年間に、パナマ侵攻、湾岸戦争、ソマリア介入、ハイチ侵攻、ボスニア空爆、スーダン・アフガニスタン空爆、イラク空爆、ユーゴ空爆と、アメリカは傍若無人に他国への軍事介入をくりかえしてきました。アメリカ国内では、口実さえあれば、他国への軍事介入にちゅうちょはありません。
ただし、大規模な軍事介入は、経済的にも外交的にもリスクが大きい。だから、湾岸戦争では多国籍軍を使い、日本に経費を負担させました。今後、アジア・太平洋では日米安保共同宣言・新ガイドラインによって日本を、ヨーロッパ・大西洋ではNATOの新戦略概念によってNATOを、領域外の国に対する戦争に使うというのが、アメリカの戦略です。ユーゴ空爆はそのテストケースです。
新ガイドライン関連法によって、日本を出撃基地・兵たん基地に使い、自衛隊に支援させることができるようになったため、アメリカが朝鮮半島に軍事介入する危険性は一段と高まりました。
◇ ◇ ◇
しかし、新ガイドライン関連法の成立で万事が終わったわけではありません。その実効性を保障するために、自衛隊の臨検を可能にする法整備、有事立法など、今後もさまざまな反動立法が出てくるでしょう。
新ガイドライン関連法がアジアに破壊と殺戮をもたらすものだと、多くの国民がリアルに理解しているわけではありません。まして、アメリカの戦争に国民を動員できるようになったわけでもありません。
米軍への軍事協力が身近な問題となるにつれて、日米安保体制の危険性がリアルでわかりやすいもとなり、不安と反発が高まり、多くの国民が日米安保体制からの離脱、アジアの共生を求めるようになるでしょう。
すでに半数以上の知事が「市民生活に影響が及ぶ」と懸念を表明しています。神奈川県平塚市では、周辺事態法を骨抜きにする「周辺事態法非協力宣言都市」の運動が始まっています。
闘いはこれからです。
日々の暮らしを守る運動と結びつけながら、有事立法に反対し、周辺事態法非協力宣言など周辺事態法を骨抜きにする運動を、全国の自治体、団体、個人に広げましょう。日米安保体制からの離脱、アジアの共生を求める国民世論を盛り上げ、日本の進路を転換するために、力をあわせて、新たなスタートをきろうではありませんか。