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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』1999年5月号

自治体・民間を巻き込んで米軍の戦争に協力する

周辺事態法案反対!

平和憲法を守る熊本県民会議事務局長 大崎鉄治


 昨年の11月に矢部町の自衛隊の大矢野原演習場で日米共同演習が行われました。私たちはこの日米共同演習が発表された昨年8月6日から反対運動に取り組みました。その取り組みの延長線として、新ガイドライン関連法案の廃案を求める運動に取り組んできました。具体的には、職場と街頭での反対署名を2万人を目標に取り組みました。県内95市町村の首長と議会にガイドライン関連法案廃案の要請を行いました。
 こうした取り組みのとりあえずの締めくくりとして3月12日、「異議あり!新ガイドライン・有事立法を許さない県民集会」を開きました。「平和・自立・共生」沖縄からメッセージということで、大田昌秀・前沖縄県知事を招いての講演会で、約600名が参加しました。
 大矢野原演習場は自衛隊の演習場です。陸上自衛隊の実弾演習はやっていますが、日米共同演習は初めてです。米海兵隊がくるということで地元でも反対運動が起こりましたので、それに合流して「共同演習反対県民の会」をつくりました。
 大矢野原だけでなく、えびのの霧島演習場でも日米共同演習が行われるということで、11月1日にえびの市で「日米共同軍事演習(霧島・大矢野原)反対九州総決起集会を開きました。この集会は熊本、宮崎、鹿児島が中心になって3県連絡会をつくって取り組みました。
 「周辺事態法案」など新ガイドライン関連法案は、日本周辺で紛争が起きた場合、米軍が日本の民間空港や港湾を利用したり、負傷兵治療のために民間病院のベッドの提供等、米軍の戦闘行為を本格的に支援しようというものです。
 この法案は、中国やアジア諸国に警戒感を与えています。また、戦争放棄を明記した日本国憲法の理念に反するばかりか、自衛隊の活動領域が日本の外に設定され、後方地域支援や捜索救難活動という名で自衛隊を海外に派兵する道を開いてしまいます。
 新ガイドラインを先取りする形で民間の港への米艦船入港、あるいは日米共同演習等が全国各地でさかんに行われています。周辺事態で想定しているのは朝鮮半島や台湾海峡だと言われており、沖縄をはじめ九州地方は前線基地にされる可能性が大きく、県民の危機感も高まっています。岡野加穂留さん、前田哲男さん、梅林宏道さんなどを講師に県内で学習会を行いましたが、予想以上に参加者が集まりました。
 九州は沖縄県に近いこともあり、米軍基地の重圧に苦しむ沖縄県民に連帯する気持ちが強くあります。今後も、沖縄、九州各県のみなさんと力を合わせて頑張りたい。
         (文責編集部)