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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』1999年4月号

新ガイドライン関連法案反対アピール

東海4県大学高専教員署名運動の経過と現状報告

名古屋工業大学元教員 寺尾光身


 一昨年8月に国民連合愛知で2泊3日の沖縄訪問を行いました。その際、那覇の「基地軍隊を許さない行動する女たちの会」の桑江テル子さんから、日本を再び戦争に引きずり込む大変な内容の新ガイドラインなるものが締結されようとしているにもかかわらず、それに反対する動きが本土で何も起こっていない、本土の平和運動はいったいどうなっているのですか、と問われ、答えに窮したのでした。日米の事務方の折衝の中間報告が7月に出された後でした。
 英字紙では通称「ウオー・マニュアル」と書かれている新ガイドライン最終案が9月に公表され、マスコミ、ミニコミでその内容を知るにつれ、桑江さんが警告していたとおりの大変な代物であることがわかるとともに、これは何とかしなければとの思いにかられました。通称「百万人署名運動」に取り組みながら、大学人から学生・市民へアピールできないものか考え続けました。
 全国規模での運動を展開するには時間的にも力量からも難しいと思われましたので、岐阜・静岡・愛知・三重の東海4県の大学・短大・高専の教員・元教員を対象としてアピールへの賛同署名をとることを、学内の日本科学者会議会員の方々の賛同を得た上で、昨年6月の科学者会議愛知支部の支部大会で提案し、承認を得ることができました。何をするにしても実際に動ける人が大変少なくなっており、云い出しっぺが実務を担わざるを得ませんでした。国会の情勢をにらみながら、夏休みを準備期間とし9月には署名を始められるように動き始めました。
 愛知支部の2回の学習会と平行して、呼びかけ人となっていただくための要請文、署名の呼びかけ文、アピール本文、受取人払いのハガキと1口1000円のカンパの振込用紙を作製し、その結果約40人の方々に呼びかけ人になっていただくことができました。現役だけでもざっと1万7000人の教員全員に届けることは至難の業であり、9月末の東海4県の科学者会議会員への発送を手始めに、教職員組合等を通じて、また、個人的なつてを求めて、インターネットや電子メールも利用し、できる限り広める努力をしました。最終的にはマスコミに記者会見で発表することにし、賛同者数500を目標にしました。当初のわれわれの予想に反し、反応は極めて鈍いと云わざるを得ず、年末でやっと200人になるという状況でしたが、呼びかけ人の協力を得たり、科学者会議の会員への再度のお願いなどで、記者会見を行った2月12日には呼びかけ人を含めて424(現在431)人となり、目標人数の8割の賛同署名を取ることができました。
 記者会見には12人の呼びかけ人及び賛同者が出席し、1時間半にわたりそれぞれの思いを語って記者に訴えました。その結果、朝日新聞、しんぶん赤旗、中日新聞に取り上げられ、学生・市民へアピールするという当初の目的をある程度達することができました。また総理大臣、衆参両院議長、6政党の代表に、周辺事態法等の廃案を求める要求書を郵送しました。記者会見の10日後には独自ポスター3000枚も出来上がり、現在その掲出をいろいろな市民運動団体や、学生の自治会組織等にお願いしているところです。
 賛同者数、東海4県に限られたことに悔いは残りますが、ささやかではあるけれども何もやらないよりははるかによかったと、自らを慰めています。
 (1999年3月25日記)