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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』1999年3月号
(前文)
函館市民は、昭和59年8月6日、以下の核兵器廃絶平和都市宣言を行った。
「わたくしたち函館市民は、美しい自然を誇り、すぐれた市民性をはぐくんできた函館を住みよい都市に発展させるため、市民とまちの理想像を市民憲章に定めています。
わたくしたちは、この理想が、世界平和の達成なくしてはありえないことを認識しています。
わたくしたち函館市民は、核戦争の危機が叫ぼれている今日、世界で唯一の被爆国の国民として、また、平和憲法の精神からも、世界の人々とともに、再びこの地球上に被爆の惨禍が繰り返されることのないよう、核兵器の廃絶を強く訴えるものです。
わたくしたち函館市民は、非核三原則の堅持と恒久平和の実現を願い、明るく住みよい幸せな市民生活を守る決意を表明し、ここに核兵器廃絶平和都市の宣言をします。」
この宣言からすでに多くの歳月が経過した。しかし、核兵器の脅威はなお地球上から消滅しないばかりか、新たな核兵器拡散の恐怖さえひろがっている。
函館市民は、世界に開かれた国際観光都市の市民として、函館市の平和の営みが世界の平和に通ずる確かな道であることをあらためて確認し、核兵器廃絶平和都市宣言を一層発展させて、ここに非核・平和行政の推進に関する基本原則を定める。
(目的)
第1条
この条例は、函館市の平和が世界の平和とともにあることを自覚して、市と市民の不断の努力により、日本国憲法の平和主義と国の非核三原則ならびに地方自治の本旨に則り、積極的に非核・平和行政を推進することを目的とする。
(用語の意義)
第2条
この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 核兵器 核分裂、核融合またはそれらを組み合わせた爆発的原子核反応によって放出される原子核エネルギーを用いて人間を殺傷し、または器物、建造物もしくは自然環境を破壊するものをいう。
(2) 函館港 港湾区域港湾法(昭和25年法律第218号。以下「法」という)第33条第2項の規定により認可を受けた水域をいう。
(3) 港湾施設 法第二条第五項に定めるもののほか、水中木材整理場その他市長の指定したものをいう。
(非核行政の推進)
第3条
市は、市の区域において、核兵器の製造、保有、持ち込み、通過および使用に協力しない。
2 市は、函館港港湾区域に入港するすべての外国艦艇を保有する国に対し、核兵器不積載の証明書の提出を求める。
3 市は、前項の規定による証明書の提出がない外国艦船の港湾施設の使用を認めない。
(平和行政の推進)
第4条
市は、市が保有し、または管理するすべての施設、用地を平和に反する目的のために使用しないものとし、また、市が行う業務についても平和に反する目的のために行わないものとする。
2 市は、平和行政を推進するため、市民とともに次の事業を行うものとする。
(1) 日本国憲法の平和主義、国の非核三原則、地方自治の本旨の普及に関すること
(2) 核兵器廃絶と恒久平和の実現に向けた、国内および外国の都市等との交流、連携に関すること
(3) 教育基本法の理念に基づいた、学校教育および社会教育における平和教育の充実に関すること
(4) 核兵器廃絶と平和に資する講演会、演奏会、展示会その他これらに類すること
(5) 核兵器廃絶と平和に関する情報および資料の収集、保管ならびに提供に関すること
(6) 市民が行う自主的な非核および平和に関する事業を積極的に支援 すること
(7) 前各号に定めるもののほか、この条例の目的に基づく必要な事業
附則
この条例は、平成11年4月1日から施行する。