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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』1999年1月号
代表世話人年頭メッセージ
終えんが間近いアメリカ一国支配
日本は自主・平和・民主を実現しよう
槙枝元文
今年は20世紀の最後の年です。日本は政治も経済も多くの課題を背負ったまま21世紀を迎えるのではないでしょうか。
相も変らず離合集散を繰り返す政党。政治理念も抱負もなく、ただ当選のみを目指して政党を渡り歩く政治家たち。悪徳三昧の限りを尽して儲けられるだけ儲けておいて、バブルの崩壊によって債務が重なれば政府に頼って税金で穴埋をさせる大手の金融や企業。正義もモラルも脱ぎ捨ててひたすら地位を利用して汚職、たかり、背任横領をほしいままにしてきた官僚たち。いまや政・財・官のすべてが国民からの不信のるつぼと化しています。
日本が21世紀の地球社会のなかに伍して行くためには、政治家は世界に大きく目を開き、常に国の進路に着眼し、政治理念と政策にもとずく政党づくりに献身すべきです。経済、金融界は、1日も早く日本的ろう習をうち破って明朗、公正、フェアーな競争システムづくりを成し遂げるべきです。官僚は国民の管理、監督者意識を払拭して、鋭敏で清廉潔白、国民への奉仕をモットーとする信頼され、敬愛される公僕に徹して貰いたいものです。
20世紀を振り返るとき、19世紀から引き継いだ前半は、スペイン、ポルトガル、イギリス、オランダ、フランスなどの植民地政策につづいて、列強間の利害から欧州大戦、そして太平洋戦争へと資本主義国家間の競合に終始しました。後半は米ソ両超大国に象徴される資本主義と社会主義の対立による冷戦構造によって世界を二分し、軍拡競争に明け暮れた末、双方の経済的行き詰まりによって、これが崩壊しました。そしてドル支配と軍事力を背景に、南北(貧困の格差)問題などは放置したままアメリカ一国支配の状態で20世紀の幕が閉じられようとしています。
しかし、いまや金の裏付なきドル支配がもたらした世界的な金融危機のなかで、「奢る平家は久しからず」のたとえの通り、アメリカ経済も斜陽化しつつあり、核による威嚇もほころび始めており、21世紀は一国支配は終焉するでしょう。そして国の大小を問わず世界各国の民主的な合議による地球世界が誕生するのではないでしょうか。その先駆的試みをヨーロッパに見るように思えてなりません。
いずれにせよ世界の動きを見るにつけ、日本の為政者の視野の狭隘さ、立ち遅れに私は焦燥の感を禁じ得ません。アメリカ政府の世界支配を維持するための焦燥、これを経済的、軍事的に懸命に支えている日本政府、今回の「新ガイドライン」もまさにその一つと言えるでしょう。
私ども「自主・平和・民主のための広範な国民連合」は、こうした世界の動向にも目を開き、未来に希望をもって、今世紀最後の1年を、皆さんと共に、悔いなくたたかい、歩みつづけようではありませんか。