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自主・平和・民主のための広範な国民連合
『日本の進路』地方議員版35号(2007年5月発行)

米軍再編反対!現地レポート 座間
キャンプ座間の機能強化・恒久化に反対する


神奈川県座間市議会議員 伊澤多喜男 氏


 2006年5月1日、日米両政府はワシントンで米軍再編の最終報告を発表した。神奈川県には16カ所の米軍基地が存在し、全国で3番目の基地数となっている。
 とりわけ、今回の米軍再編は日米軍事一体化であり、神奈川県内の国道16号線ルート沿いには、米海軍と海自の司令部が横須賀、米空軍と空自司令部が融合する横田基地、米海軍航空司令部が厚木基地、米陸軍と自衛隊中央即応集団司令部がドッキングする予定のキャンプ座間があり、米国ワシントン州から第1軍団司令部が移駐し、米軍の総括司令部UEXが置かれる。これらは米国本土を守るための前線司令部と考えられる。
 この最終報告を受けた座間市の星野勝司市長は早速、市・市議会・自治会連絡協議会の3者で構成する反対協議会を結成。市内の公共施設や学校に米第1軍団移駐反対の横断幕を掲出、すべての公用車に反対のステッカーを貼付した。また、座間市の人口の約半数にあたる6万人の反対署名を集め、政府関係機関に送付。自治会掲示板600カ所に反対のポスターを掲出した。さらに、2度の市民大集会を開催し、キャンプ座間まで市長を先頭にしたデモ行進まで行った。
 座間市議会も黙っているわけではない。すでに何回となく反対の意見書や決議を採択し、政府関係機関に送付している。
 とりわけ、今年2月9日に「米軍再編促進特別措置法」が閣議決定されたのを受け、全国に先駆け3月議会冒頭の2月23日「同法案に反対する意見書」を採択(次頁参照)。「再編交付金」制度は、「部隊の移転に伴って必要となる施設整備などの進捗状況に応じて交付する」または「交付金の交付は、米軍再編に対して当該市町村から理解を得られている場合に限られる」などの「交付要件」が示されている。交付金制度を新設することは、米軍再編の影響を受ける地方自治体を「交付金」によって賛成へと誘導させようとするものであり、こうした手法に大きな怒りと疑義を禁じ得ないとして、政府に反対の意見書を送った。
 星野市長も「再編賛成が交付条件になるのだろう」と不信感を募らせ、反対姿勢を変える考えはないとしている。また、「基地の恒久化解消策を国に要請しているが、何ら回答がきていない」とし、「約束しているものを示さず、米軍再編のアクションをなし崩し的に起こされたら、国の何を信用していいか分からなくなる」との不快感も表明している。このままでは100年たっても基地の町になるとの危機感を強め、市・市議会・市民が一体となり、基地の強化・恒久化解消を求める運動に取り組んでいる。



「米軍再編促進特別措置法」に反対する意見書

 「米軍再編促進特別措置法」が2月9日閣議決定された。新聞報道等によると同法案は、10年間の時限立法で、米軍再編に伴い基地負担が増える市町村に対し、「再編交付金」を交付することと、在沖縄海兵隊のグアム移転に伴う融資などを可能とするため、国際協力銀行の業務の特例を設けることが主な内容とされている。
 その中の「再編交付金」制度について、「部隊の移転に伴って必要となる施設整備等の進捗状況に応じて交付する」または「交付金の交付は、米軍再編に対して当該市町村から理解が示されている場合に限られる」などの「交付要件」が示されているが、このような交付金制度を新設することは、米軍再編の影響を受ける地方自治体を「交付金」によって賛成へと誘導させようとするものであり、こうした手法に大きな怒りと疑義を禁じ得ない。
 また政府は、米軍再編最終報告後、本市が一貫して求めている基地恒久化解消策を示すことなく、同法案の国会上程を行おうとしている。このことは、これまでの本市との真剣かつ誠実な協議過程を自ら反故にするようなものであり、到底承服できない。
 よって本市議会は、「米軍再編促進特別措置法」に反対するとともに、政府においては、早急にキャンプ座間の基地恒久化解消策を示すよう、改めて強く求めるものである。

 以上、地方自治法第99条第2項の規定により意見書を提出する。

 平成19年2月23日

内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣 防衛大臣 あて

                          座間市議会議長 小川成男