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自主・平和・民主のための広範な国民連合
『日本の進路』地方議員版35号(2007年5月発行)

日豪EPA交渉に対する意見書

帯広市議会



日豪EPA 配慮がない場合は、「交渉中断」を!

 日本農業の存亡の危機と言われる日本とオーストラリアとの自由貿易協定(FTA)を柱とする、経済連携協定(EPA)交渉をめぐり、672地方議会が政府に対して意見書を議決し、重要品目を関税撤廃の例外とするなど、農業や地域経済を守るよう求めている。帯広市では3月3日、北海道農民連盟などが主催して3500名の決起大会が開催された。下は帯広市議会の意見書である。




日豪FTA/EPA交渉並びに酪農畜産政策・価格に関する意見書


 北海道の酪農畜産は、専業的な意欲のある担い手を中心に、恵まれた土地資源を活用しながら、新たな技術導入による高い生産性を実現しており、我が国における食料の生産・供給基地として大きな役割を果たしている。こうした中で、政府は昨年12月に豪州とのFTA/EPA締結交渉入りを決定したが、仮に交渉によって関税が撤廃された場合、北海道農業はもとより地域経済・社会全体が壊滅的な打撃を被ることになる。
 また、生乳需給の緩和による需給調整の実施、自給飼料基盤の確保、環境保全や食の安全・安心対策への対応などの課額が山積しており、意欲ある担い手の育成のため北海道酪農畜産の生産基盤を維持強化することが重要となっている。
 よって、国においては、「新たな食料・農業・農村基本計画」における食料自給率目標の達成や「新たな酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」における生乳・食肉の生産目標数量の着実な達成を目指すなど、生産者が安心して営農に取り組み、経営安定と所得の確保が図れるよう、総合的な支援施策の展開について下記事項を添えて強く要望する。
                   記
1 乳製品、牛肉、軽種馬、米、小麦、砂糖は、北海道の重要農畜産物であり、EPA交渉を進める べきでない
2 加工原料乳生産者補給金単価について、現行ルールを基本に適切に決定すること。また、 限度数量については、需給動向に即して適切に決定すること
3 生乳需給の改善や酪農経営の安定に向けた支援を行うこと
4 担い手に対する支援対策、営農サポート組織への支援対策、乳検組合の支援強化など、酪 農生産基盤の維持強化対策を進めること
5 肉用牛・養豚生産基盤の強化対策を推進すること
6 海外悪性家畜伝染病など家畜防疫対質を強化すること
7 米国産牛肉の輸入にあたり、万全な管理体制を今後も継続すること
8 BSE全頭検査、発生農家等に対する支援対策、畜産リサイクルの再構築などBSE関連対策 を引き続き実施すること
9 トレーサビリティの適正な運用など食の安全・安心対策を推進すること

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

   平成19年3月1日                     帯広市議会

  内閣総理大臣 外務大臣 農林水産大臣 衆議院議長 参議院議長  あて