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自主・平和・民主のための広範な国民連合
『日本の進路』地方議員版32号(2006年9月発行)
2006年7月7日、千葉県議会の最終日に自民党がいきなり「北朝鮮のミサイル発射に抗議する決議案」を議会運営委員会に提出しました。その決議案の内容は「政府において国際社会と連携した有効な制裁措置を講ずるよう強く求める」もので「緊急事態なので会派に持ち帰り、5分間で態度を決めてほしい」という議運の委員長の要請がありました。私達は、3人会派なので議運の正式メンバーではなく、委員外委員として議運の決定権を付与されていないので大至急、協議をしました。そして
(1)アメリカからの情報を中心に日本政府やメディアが報道しているので、情報分析ができていないこと。(2)不確かな情報で国連加盟国の北朝鮮国家に対して、地方議会として「制裁措置」を国に求めることが適切なのか?(3)北朝鮮のミサイル実験は許されないが、それと同様に日本とアメリカのミサイル共同開発やロシアや中国のミサイル実験も許してはいけないこと。
従って、議運で「世界各国の全てのミサイル実験・開発に反対する」という文言を加えるよう提案を行いました。しかし、自民党、民主党、公明党、共産党、「社民・県民連合」、「水と緑の会」は賛成し、アッという間に決定されてしまいました。
本会議の議場では、自民党議員から野次や罵声、怒声が浴びせられました。私達の会派「市民ネット・無所属市民の会」を代表して討論に立った山本友子議員は動じることなく、反対討論を行いました。
自民党提出の本決議案は一読すると、もっともと思えますが、「制裁措置」を北朝鮮に要求するなら アメリカや中国、ロシア、イギリスそれに日本自身に対しても第三国への軍事介入・ミサイル開発のなどについて国連憲章7章に照らして制裁措置を加えなくてはいけないことが多々あると思います。
軍事訓練・ミサイル開発を例にとっても、日本海において日米韓の軍事訓練、日米のミサイル共同開発、さらには、中国やロシアのミサイル実験などについても、毅然と抗議の声をあげるのが公平性、公正性を求められる千葉県議会のとるべき態度であると思います。
もとより、北朝鮮のミサイル実験は許されませんが、この結果、日米の軍備拡大が「国民合意」のもとに促進されることを一番、恐れます。今、冷静に考えなくてはいけないのは、世界平和に脅威を与えているのは、どこの国なのか?どのような構造なのか?ということです。
先の第二次世界大戦では、原子力発電は存在しませんでしたが、現在は日本だけでも原発は52基あり、そこに自爆テロが発生した場合、チェルノブィリ原発事故どころではない悲惨な状況が想像できます。また、世界に3万発あるといわれている核の存在は 人類の存続を脅かすものです。今の子ども達や将来の人類、地球のことを見据えた時に、私たちは、あらゆる軍備拡張に反対し、話し合いによる解決しかないということを肝に銘じて、日本国政府が世界に訴えることが、我が国の役割であり、同時に私達、大人の責任であると痛感します。