│国民連合とは│代表世話人│月刊「日本の進路」│地方議員版│討論の広場│トップ│
自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2007年12月号
いま、日本農業は存亡の危機にあります。歴代政権の対米追随で売国的な農産物自由化政策によって、汗水たらした農民の努力は水の泡となり、農業所得は低下し、後継者もなく、耕作放棄地が増え、1965年に73%だった食料自給率は先進国中で最低の40%を切っています。また今年度から開始された品目横断的経営安定対策は、小規模農家の切り捨てであり、政府も見直しせざるを得ない状況です。
最近のバイオエタノール需要の拡大や投機資金の流入で世界的に穀物価格が高騰し、国内でも食料品の値上げが相次いでいます。飼料価格も高騰し、畜産・酪農経営は深刻な状況を迎えています。さらにWTO農業交渉・日豪EPA交渉で関税削減・撤廃という事態になれば、農業の崩壊だけでなく、関連産業、地域経済は深刻な事態に直面します。
にもかかわらず、小泉以来の政権は多国籍大企業が要求する日豪EPA交渉やWTO農業交渉を推進し、国境措置の廃止・完全自由化を前提とする大規模化などの農業政策を進めてきました。
こうした政策に反対し、北海道、沖縄、鹿児島など全国各地で農民が集会やデモを行い闘っています。北海道における反対集会は十数カ所、1万数千人におよび、自治体当局や地域の商工団体、労働者も参加する町ぐるみの闘いとなっています。沖縄の農民は1万人の県民大会を開き、労働組合、経済団体、消費者団体もこれに連帯を表明しました。また、小規模農家を切り捨てる新たな農業政策の見直しの闘いも全国に広がっています。
この闘いは、多国籍大企業の利益のために食料を他国に依存するのかどうか、国民の食料、命に関わり、国の進路にかかわる闘いです。食料を、これほど外国に依存することは独立国といえるでしょうか。世界人口が現在の65億人から2050年には90億人を超えると予測され、栄養不足人口は現在でも8億人を超えています。地球温暖化や異常気象など世界的な食料危機が危惧されています。食料自給率の向上こそ、確かな国の安全保障政策です。そのために最低支持価格制度や棚上げ備蓄を要求しましょう。
多国籍企業のための政治によって労働者、農民、中小商工業者をはじめ国民各層が犠牲にされてきました。団結して闘えば、勝利が可能です。農民の闘いを支持し、日本の食料と農業を守る国民運動を展開しましょう。とりわけ労働者・労働組合がその先頭で闘うことを呼びかけます。
2007年11月18日
自主・平和・民主のための広範な国民連合第15回全国総会