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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2007年10月号
泥にまみれて死んだ魂を
正義の戦争に殉じたと
偽りをいうなかれ
歴史の真実をそのまま
次の世代へ伝えることが
日本を正しく歩ましめる
歪められた教科書は
再び戦争と破壊へ向う
沖縄戦の死者の怒りの声が
聞こえないか
大和の政治家・文科省には届かないか
これは「9・29教科書検定意見の撤回を求める沖縄県民大会」アピールの一節です。このアピール文に戦争の残虐さ、悲しみ、怒り、そして正義と平和を求める沖縄人(うちなーんちゅ)の魂の叫びが込められていると思います。はたして大和の人々、大和の政治家、大和政府に理解してもらえるだろうか。
今年3月、教科書検定で「軍命により」が削除されていると知ったとき、私の脳裡に「広島・長崎の原爆」「従軍慰安婦」「南京大虐殺」などについで今度は「沖縄戦」の歪曲だなと、皇国史観に基づく新しい歴史教科書を作る右翼的動きが次々と浮かんできた。沖縄の人々がお国のため、天皇のため、自ら進んで身を献げたと殉国美談化し、子供たちの「愛国心」のお手本にしようと企む好戦家たちの政治的意図は明らかである。
文科省側は「新しい学説もある」とか「係争中だから」とか「すべてが軍命で行われたわけではない」などと詭弁を弄しているが、沖縄地元マスコミの踏み込んだ取材によって、検定制度のしくみや検定意見が出てくるからくりが白日にさらされた。専門家のいない審議会の場へ、文部官僚が作り上げた文案が示され、「意見」となり、うむを言わせず出版社、著作者をしめ上げたのだ。
大会当日、中里実行委員長(県議会議長)が「文科省は、体験者の重い証言を軽々しく扱っている」と怒り、仲井真知事も強い抗議と削除撤回を要求した。党派をこえ、県民の立場に立った勇気ある発言であった。
歴史を歪曲してまで戦争の出来る体制を作ろうとする今の政治の流れをおし止めたいとする沖縄の人々の願い。実はこの思いは平和を愛する日本国民の共通の願いでもあるのだが、このことを日本のマスコミは果たして伝えてくれるだろうか。
「戦争で最初に犠牲になるのは真実である」。
(10月1日記)