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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2007年10月号
大会場には無料バスが参加者を運んだ。私も午後1時前に入場した。予想はしていたが、足を踏み入れる場所がないほど。舞台ではすでにアトラクションとして、若者たちの歌やダンスが演じられている。家族連れで会場の外にもどんどん押し寄せてくる。小中学生・高校生らも午後3時の開会時とあって急ぎ足だ。これまで見たことのない人波である。
参加者は11万6千人と報告されると、大きな柏手が起こった。怒りを抑えての静かな大会だ。「集団自決」で殺し合った家族の人たちの涙の訴えに真剣に耳を傾けていた。高校生代表が「私たちは、真実を学びたい。そして、伝えたい」と訴えた事が印象深い。
戦争体験が決して風化してない証拠である。若者の参加が目立った大会であった。彼らにとって、この大会のことは心の中に根付いていくに違いない。
「よく虎の尾を踏んだ」と皮肉られているように今度の検定意見が全県民の戦争の実相を呼び起こした。「集団自決」は渡嘉敷、座間味だけではなく、読谷や伊江島でも軍命により引き起こされた。玉砕した場所で命令文書を出せと言ってもそれが残っているはずがない。日本軍は手榴弾を配り、捕虜になることを恐れて住民に自決を迫ったのである。指揮官たちは、山に逃げ捕虜になった。住民に謝罪すべきである。
住民は62年間、思い出したくない心情から口を閉ざしてきた。軍隊は決して住民の生命を守らなかった。現在、自衛隊となって再び沖縄をアジア侵略の拠点としつつある。この教科書で学ぶのは、日本の将来を担う高校生たちだ。文科省は教科書改ざんを自作自演しながら「教科書意見に介入できない」と責任転換している。
県民だましの詭弁にすぎない。