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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2007年7月号
沖縄県教職員組合副委員長 山本 隆司
沖縄県議会は六月二十二日の本議会で、高校歴史教科書の沖縄戦の「集団自決」(強制死)」の記述から、日本軍の関与を削除の修正指示した文部科学省の教科書検定の撤回・記述の復活を求める意見書を全会一致で採択した。同様の意見書は六月二十八日の時点で、沖縄県下四十一の全市町村の議会でも意見書採択がなされた。
三月三十日の教科書検定の結果を機に、沖教組・高教組を中心に県民運動として取り組まれた。連続した抗議の記者会見、学習会や抗議集会の開催、体験者の証言を聞くシンポ、渡嘉敷・座間味でのフィールドワークなど広範囲な運動が展開された。その集大成が「六・九沖縄戦の歴史歪曲を許さない!沖縄県民大会」だった。沖縄県庁前の県民広場に実行委員会六十三団体、三千五百人の参加者が沖縄の熱い日差しを浴びて参加した。各政党代表、市民団体、労働団体、「集団自決」体験者、大学生、現場の教師など、各階層からの意見表明が相次いだ。特に体験者の瑞慶覧長方さんの迫力ある話は、参加者の感銘を受けた。「歴史の真実を次の世代に正しく伝えよう」と県民広場でコブシを突き上げた後、国際通りの約一キロをデモ行進し、県民の意思を内外に訴えた。
この県民大会の決議文を文部科学省にとどけるため、六月十五日実行委員会の代表三十七名が東京に出向き、「要請文」と九万二三三八筆の署名を文部科学省に手渡した。
衆議院の議員会館会議室での文部科学省への要請は、布村審議官以下の対応は淡々とした官僚的な受け答えに終始し、誠意の見られるものではなかった。しかし、「集団自決」の日本軍の関与は認めるとの発言も引き出せた。その後の、院内集会では革新政党の代表や日教組の仲間が大勢駆けつけ、熱気ある怒りの報告集会になった。
七月四日には沖縄県、県議会、市長会、町村長会、市議会議長会、町村議長会の六団体が、副知事を団長に文部科学省に沖縄県民の総意として、修正指示の撤回を要請しても、大臣も副大臣も対応しなくて、首相官邸には足も運べない門前払いをされる結果になった。
公然と歴史的事実の間違いを認めながらも、検定意見の撤回ができないとの沖縄県民を馬鹿にした政府の姿勢に憤りは禁じ得ません。
全国の仲間と連帯して、修正指示の撤回と記述の復活をもとめ、さらには沖縄戦の実相を全国に広める運動に全力をいきたい。