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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2007年7月号
「日本の進路」編集部
いま、オーストラリアとの間で、牛肉、砂糖、乳製品、コメ、小麦などの関税撤廃を中心とする経済連携協定(EPA)の交渉が行われている。オーストラリアは世界有数の農業大国で、一戸当たりの耕地は日本の千八百倍以上ある。安倍政権は、日本の農家に、このようなオーストラリアと競争しろと言うのだ。
すでに歴代政権の農畜産物の自由化によって、汗水流した農家の努力は水の泡となり、農業所得は低下し、後継ぎはいなくなり、耕作放棄地が増え、食料自給率は先進国中で最低の四〇%に落ち込んだ。この上、オーストラリアとのEPA実現は、農家に死ねと言うに等しい。農業のみならず、関連産業、地方経済は深刻な事態に直面し、大都市と地方の格差はさらに拡大するだろう。
安倍政権は、誰のためにこのような日豪EPAを進めるのか。第一に、トヨタなどの多国籍大企業がオーストラリアに進出して、巨額の利益を得るのを助けるためだ。第二に、オーストラリアとの軍事協力(日豪安保共同宣言)を拡大し、日・米・豪・印で中国包囲網を形成するのをやりやすくするためだ。いずれも多国籍大企業の利益のためだ。そのために日本の農業と農民を犠牲にしようとしているのだ。
大新聞やテレビはろくに報道しないが、沖縄での一万人県民大会をはじめ、北海道、佐賀、宮崎、鹿児島、群馬、福島、宮城、新潟などで、何万、何千という農民が立ち上がり、集会やデモを行った。地域によっては、農業団体だけでなく、自治体、経済団体、消費者団体、労働組合など各層が連携した地域ぐるみの闘いに発展している。
労働者も中小零細業者も、この農民の闘いを断固として支持しよう。特に労働組合は、農民の要求と闘いを支持する連帯ストをやろうではないか。労働者、農民、中小零細業者はバラバラでは勝てない。お互いの要求と闘いを支持しあい、多国籍大企業のための政治を打ち破ろう。