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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2007年1月号
代表世話人からの新年メッセージ
吉元 政矩
明けましておめでとうございます。
昨年十二月に予定されていたASEAN首脳会議や東アジアサミットは、台風のため一月に延期されました。それに先立つ十一月のAPEC首脳会議で人々の関心をよんだのは、ブッシュ米大統領が提案したアジア太平洋規模の自由貿易協定です。東アジア経済圏への動きを警戒し、対抗する経済圏の提案だったからです。もちろん中国が反対し、ASEANの多くの国も否定的な意見でしたが、安倍首相は前向きに評価しました。これを受けて東アジアサミットがどのように展開するのか、注目すべきでしょう。ASEAN閣僚会議は、二〇一五年に繰り上げてASEAN共同体を発足させることを確認しました。ASEANは日本、中国、韓国との十三カ国で東アジア経済圏を、という強い意向をもっています。その東アジア経済圏について、中国は十三カ国を、日本はそれにオーストラリア、ニュージーランド、インドを加えた十六カ国を提案しています。経済だけでなく、東アジアの安全保障の枠組みにも重要なかかわりをもつ問題として認識する必要があります。
現実に進んでいる在日米軍再編は、米軍基地の整理縮小問題とは質が違います。日米軍事同盟のトランスフォーメーション、変革です。つまり、米軍基地を抱えている地域の問題というより、東アジアのみならずアジア太平洋や世界におけるアメリカの軍事行動に自衛隊が関わっていくことが、在日米軍再編の重要な柱になっています。これを見過ごすことはできません。具体的には米陸軍司令部が移駐してくるキャンプ座間、原子力空母が配備される横須賀、厚木基地の空母艦載機が移転される岩国、そして沖縄では普天間基地の県内移設問題が昨年十一月の知事選で最大の争点になりました。一月の通常国会では米軍再編に伴う特別措置法案が提出されます。内容は米軍基地を抱えている自治体への新交付金制度と、在沖米海兵隊のグアム移転に伴う費用の肩代わりです。したがって、先ほどの四カ所での闘いは引き続き重要です。
その闘いの発展に重要な意味をもっていた沖縄県知事選は、残念ながら約三万七千票差で負けました。敗因の一つは統一候補者の決定が大きく遅れたことです。それにもかかわらず三十一万票を得たことを、米軍再編、普天間県内移設に対する県民の強い批判と受け止めています。四月に、普天間基地を抱える宜野湾の市長選、糸数さんの辞職にともなう参院補欠選が行われます。私たち沖縄県民は態勢をつくり、四月そして七月の参院選へ全力で走っていこうと思います。
昨一年間、北海道から鹿児島まで全国各地に呼ばれました。沖縄の基地問題だけでなく日本の軍事大国化を批判し、地域の理解を得ながら闘いを発展させるという目的でした。私にとっても良い経験でした。沖縄から発信する課題、各地域が抱えている課題を共に理解しながら、今年も代表世話人の一人として頑張ります。