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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2007年1月号
代表世話人からの新年メッセージ
大槻 勲子
広範な国民連合のみなさま、読者のみなさま、明けましておめでとうございます。
二〇〇六年十一月、愛知で開催された広範な国民連合第十四回全国総会は、「対米追随で朝鮮敵視、政治軍事大国化と生活破壊の安倍政権を打ち破り、アジアの平和・共生・国民生活のめざそう」とアピールしました。
安倍首相が臨時国会の最優先課題と掲げた改正教育基本法案が、十二月十五日、参議院本会議で与党の賛成多数で可決、成立しました。つづいて、防衛庁の「省」昇格法の成立。次期通常国会での「国民投票法案」成立へ、めどをつけ、憲法改正への道筋をつけようとの意欲がうかがわれます。
戦前の教育の反省から、「個の尊重」をうたった教育基本法は「公の精神」重視に転じました。国の政治的な介入に対して歯止めをかけていた「教育は不当な支配に服することなく、国民全体に対して直接に責任を負って行われる」との文言の後段が、「法律の定めるところにより行われる」と改められ、国の教育行政に従え、となりかねない改悪です。安倍政権に代わっての最初の国会であった一六五臨時国会で、憲法改正への足固めができたわけで、もし国民投票法が成立してしまえば、自民党案を中心に改憲の流れが急速に進むのでは、と憂慮されます。
自民党の「新憲法草案」に示されている主な危険性は、第一に前文の平和主義を根こそぎ覆し、国際協調の名目で米国との軍事同盟を進めること。第二に現行憲法の九条二項を削除し、戦争のできる国にする。第三に「公益」及び「公共の秩序」の原則のもと国民の基本的人権を制限し、国家権力による統制を強める。第四に総理が自衛軍の指揮権、国会の解散権など憲法上の統帥権をもつこと。第五に新たに軍事裁判制度を設けること。さらに第六に衆参各議員の過半数の賛成で憲法改正発議をできるようにすること。これらの改憲が本当に実施されると、被害を被るのは一般市民です。敗戦後、私たちがめざしてきた公平、平等、人権保障、不戦の原則がゆがめられ、とりわけ女性、若年者が深刻な影響を受けるでしょう。
さらに憂慮すべきは、今後、言論統制ともいうべきスパイ防止新法案、共謀罪法案などが出されると思われ、「新たな戦前回帰」の影響を国民有権者が受けることになるのでは、と思います。
新しい年二〇〇七年は、「亥年」。統一地方選挙、参議院議員選挙の重なる年です。戦後平和憲法のもとで保障された婦人参政権獲得六十一年目の年です。
私たちの一票を、政治を変える力にしましょう。