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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2006年10月号
品川正治氏「憲法改悪にもの申す、
米国追随は危険な道」 国民連合・愛知
九月九日、広範な国民連合・愛知は名古屋市で、品川正治氏(経済同友会終身幹事)の講演会「憲法にもの申す、アメリカ追随は危険な道」を開催した。約八十人が参加した。
最初に寺尾光身・国民連合愛知代表世話人が、「自民党総裁選が始まり、安倍政権に代わろうとしているが、彼は改憲を鮮明にしており危険だ」と指摘し、「小泉政権を経済人の立場から批判されている品川さんにお話をいただき、今後の行動を皆さんと考えていきたい」と訴えた。
講演に立った品川氏は、ゆっくりと明快な口調で、約一時間半話された。中国戦線での戦争体験から自分の座標軸は「戦争を起こすのも人間、しかしそれを止められのも人間である」と言われ、「二度と戦争をしないと国民の決意が憲法九条だった。しかし、支配政党は憲法九条を骨抜きにしてきた。世界中で戦争をしている米国の価値観と日本の価値観は違う。戦争をしている米国に従って改憲を叫ぶのは一体どういうことか」と、自衛隊の海外派兵や米国との軍事一体化、改憲の動きを鋭く批判した。
また経済問題でも「日米の『共通の価値観』ということで、市場原理主義がまかり通り、教育・福祉を市場に任せるのは明らかに誤りだ。『規制緩和』は権力からの自由ではなく、『大企業が権力を行使できる自由』であり、中小企業や地方が切り捨てられている。バブル崩壊で企業を助けるために財政をつぎこんで借金を増やした。それをそらすために公務員の数や人件費を問題にしている」と、「改革」政治の本質を暴露した。
さらに「日本にふさわしい経済や外交がある。国民が憲法九条を変えないと判断すれば世界史が変わる」と訴えた。
質疑応答の中でも、「私のような意見は財界人の中にもある」、「朝鮮民主主義人民共和国のミサイル発射問題は、どうみてもアメリカに向けたもの。政治は本来、国民に安心と信頼を与えるものなのに、国民に不安を持たせるのはほかに理由があるからではないか」と指摘。時間の関係で質疑を打ち切らざるを得ないほど熱心な講演会となった。
最後に、事務局から、広範な国民連合愛知の県民アピール「次期政権に対して共同した闘いを」の内容と、十一月に予定されている広範な国民連合全国総会についてのよびかけが行われた。
中江要介氏と品川正治氏の対談
「新政権アジア外交への提言」 東京
十月五日、品川正治・経済同友会終身幹事と中江要介・元中国大使による対談「新政権アジア外交への提言」が東京で開催された。この取り組みは、十名の方の呼びかけによるもので事務局は広範な国民連合・東京。
コーディネーターの西澤清・広範な国民連合・東京代表世話人は、「時宜にかなった講演会だ。国会の発言を聞いていると安倍首相は自分の主張を意図的に隠しており、非常に危険だ。安倍首相はこれから中国と韓国を訪問するが、どういう意味をもつのか。どのような態度が日本の進路にとって良いのか、中江、品川両氏の対談を通じて探ってみたい」と述べ、対談は始まった。
「小泉外交はどうだったのか」について、中江氏は「空白の五年であった」と指摘し、「日本は隣人がいるが、友人がいない」「原因は靖国参拝」「国連安保理常任理事国問題で、アジアから支持されず、逆に中韓からは反対された」と小泉外交を批判。「小泉政権の五年はブッシュの言いなりで、戦争責任を果たさないからアジアに友人がいない」と述べた。また「小泉外交の数少ない成果は訪朝・日朝平壌宣言だが、その後、拉致問題をたてに正常化の努力をしなかった」と指摘。また朝鮮のミサイル問題で大騒ぎして制裁に向けた政府の外交姿勢を批判した。
品川氏は、「ゆがんだナショナリズムを植え付けた」と小泉政権を総括。安倍政権については「小泉政権はどしゃぶりだったが、安倍政権はどしゃぶりで風も吹く。『安倍イズム』が心配だ」と安倍政権の政治姿勢を指摘した。
小泉政権について「郵政民営化一本ヤリで、経済政策は市場原理主義を信奉している竹中氏に丸投げしたことが大きな問題」と指摘し、「政治が解決すべき福祉、教育などもすべて市場にまかせてしまった」と述べた。「『改革なくして成長なし』とすべてを市場にまかせ、経済成長を尺度に政治が行われてきた」と、経済政策を厳しく批判した。
また、「規制緩和」や「小さな政府論」について、「大企業のための規制緩和だ。大企業を救済したために大きな借金になった。これを隠すために公務員が多いとか給料が高いと批判している」と暴露した。そして「戦後の経済成長の成果を全体で享受する日本型の資本主義から、米国中心の市場原理主義の『覇権型』資本主義に変えようと経済財政諮問会議を軸に推進してきた。日本の経済界にはこの考え方がまん延しており、財政再建を口実に国民の年金、福祉、医療、地方が切り捨てられてきた。平和憲法をもち原爆を落とされた日本と、常に戦争をしている米国では『価値観』が違う。日米は共通の価値観だと認めれば、日米安保も際限なく、日米一体化が進む」と批判し、わが国の自主的で平和な進路を選択することを訴えた。
討論では、中江氏は「新政権は原点に戻って戦争責任をはっきりさせるべきだ。靖国問題も『脱亜入欧』であり『脱米入亜』に転換すべき」と訴えた。品川氏は憲法九条を守ることを強調し、「改憲に国民が『ノー』と言えば日本外交が変わる」と訴えた。
神奈川・大和でピースフェスティバル
九月十日、恒例の「ピースフェスティバル06 in大和・綾瀬」が、大和駅前プロムナードで、音楽や模擬店などを準備してにぎやかに開催されました。今年は米軍再編問題で座間、相模原両市を含む広範な闘いが続き、七月には第三次厚木基地爆音訴訟で爆音の違法と五千人に対する損害賠償支払いの判決が出た中での開催でした。主催は厚木爆同などの県央共闘が組織した実行委員会で、集まった各団体は時節はずれの暑さの中、通りかかりの市民に日頃の活動をアピールしながら団結を深めました。