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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2006年9月号

各地の取り組み


原子力空母の配備撤回を求め三千人
           神奈川横須賀市
 八月十二日、横須賀基地への原子力空母配備の撤回を求める全国集会が横須賀市で行われ、雨にもかかわらず全国から三千人が参加した。
 呉東正彦・原子力空母の横須賀母校問題を考える市民の会代表は、母港化受け入れを表明した横須賀市長を批判し、「原子力空母母港化問題は重大な局面を迎えている。力を合わせてストップさせよう」と呼びかけた。
 福山真劫・平和フォーラム事務局長は「戦争をする国つくりを進める政府に反対し、平和と民主主義のためにがんばろう」と訴えた。
 国連などに反核・平和を訴える「高校生平和大使」に選出された新井舞子さんは「被爆体験を聞き、核兵器とは共存できないと感じた。核兵器廃絶に向けて若者ができることをしたい」と述べた。
 集会後、参加者は雨の中をデモ行進し、米軍基地ゲート前で「空母母校化反対」「米陸軍第一軍団司令部は座間に来るな」とシュプレヒコールをあげた。


小泉首相の靖国参拝断固反対
              平和遺族会
 終戦の日の八月十五日、国内外の批判が高まる中で小泉首相は靖国神社参拝を強行した。次期首相と目される安倍官房長官も四月に参拝していたことを明らかにした。靖国神社は侵略戦争を美化し、国民を侵略戦争に思想的に動員してきた施設である。首相などの靖国参拝は日本の軍事大国化を正当化する世論作りである。これを批判する加藤紘一衆院議員宅への放火という、許しがたい事件も起こった。
 こうした中で、平和遺族会全国連絡会は八月十五日、東京で「アジアと共に生きる日本を」を開催し、三百五十人が参加した。
 開会あいさつで西東京平和遺族会の岡田良子氏は、「小泉首相は終戦の日の本日早朝、靖国神社を参拝した。朝鮮のミサイル問題で、国民の中にアジア敵視をあおる行動を繰り返してきた。戦争ができる国をつくるために、排外主義で国民の思想を統一しようとするもので許せない」と小泉首相を厳しく批判した。
 西川重則・平和遺族会代表は基調報告の中で、「靖国神社が軍国主義の精神的支柱としての役割を果たしたことを忘れてはならない」と述べ、「今なお戦争の傷跡の癒えない方々の痛みや悲しみや憤りを心に刻み、アジアの和解と共生の道を歩むよう首相に強く要請したい」と訴えた。
 戦争犠牲者への黙とうの後、横田耕一・流通経済大学教授が「憲法から靖国問題を考える」と題する記念講演を行った。横田氏は靖国神社の基本的性格と憲法との矛盾や国立追悼施設の議論などについて鋭く解説し、「靖国問題の背景には、国民の戦争に対する評価がいまだに定まっていないことがある。アメリカと戦争をした事実すら知らない若者も多い。若者も含めて正しい歴史観を広く訴える必要がある」指摘した。
 集会後、参加者は靖国神社周辺をデモ行進した。


秋以降の闘争に備え国民連合・神奈川が総会
 八月二十日、広範な国民連合・神奈川の第十一回総会が横浜市で開催された。国民連合・神奈川は、昨年十一月に神奈川で開催された全国総会の成功を支えた。また、この間のキャンプ座間への米陸軍司令部の移駐や横須賀基地への原子力空母配備など米軍再編と基地機能強化に反対する取り組みを、神奈川平和運動センターや基地撤去をめざす県央共闘会議などと共に闘い、幅広い県民的な運動として発展させるために奮闘してきた。あわせて、賛同人拡大など組織強化でも重要な前進をした。
 開会のあいさつで、竹田四郎・代表世話人は「ポスト小泉の新政権の誕生を控え、米軍再編問題など国民連合の役割が重要になっている。大いに議論し、前進しよう」と呼びかけた。
 来賓のあいさつで、加藤泉・神奈川平和運動センター事務局長は、原子力空母配備を容認した松沢県知事や蒲谷横須賀市長を批判、「県民の多数は配備を認めていない。この声を発展させ、原子力空母の配備を撤回させる運動をつくろう」と訴えた。
 林鐘圭・朝鮮総聯神奈川県本部国際部長は、「朝鮮のミサイル発射について国民連合が発表した見解に大変勇気づけられた」と話し、国民連合の活動の発展にエールを送った。またミサイル発射を口実に市の朝鮮総聯施設への課税を決定した横浜市の中田市長を痛烈に批判した。
 桧鼻達実・基地撤去をめざす県央共闘会議事務局長は、米軍再編反対の声を押しつぶすキャンプ座間への米軍司令部の移転反対の声を静めるために防衛施設庁が食事会などの地域住民融和策を行っていることや、県が「親米」を基調とした文化センター設立をもくろんでいることなどを紹介したそして「岩国市民の闘いに元気づけられた。市民は移転を望んでおらず、県央でも岩国のような闘いがつくれるのではないか」と可能性を示した。
 続いて、大藏律子・平塚市長やなど県内各界からの激励メッセージが紹介された。全国世話人の天木直人・元レバノン大使は、メッセージで、イスラエルによるレバノン空爆と、それを後押しする米国、その米国を無条件に支持する日本政府の姿勢を厳しく批判した。
 原田章弘・代表世話人が、この間の活動報告や方針提案を行った。つづいて、吉田康彦・大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員教授が、北朝鮮ミサイル発射で大騒ぎをした日本政府やマスコミの対応を厳しく糾弾する問題提起(発言の概要は別掲)を受け、新しい賛同人も含め積極的な討論となった。外交・安全保障では、首藤・前衆議院議員は「米軍再編、ODAなど様々な問題で米国主導の日米統合が進んでいる」と指摘。また小泉「改革」で、医療・福祉や教育などが後退していることが現場から報告され、闘いの強化が語られた。さらに国の進路をめぐり、幅広い連携の可能性なども語られた。
 討論を受け、米軍再編反対などの闘いを中心に広範な県民運動の発展や県政の転換をめざすなどの総会決議、二名の新しい県世話人を含む役員も採択された。
 予想される安倍政権を想定し、秋以降の闘いを発展させる上で、重要な総会となった。