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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2006年8月号
格差拡大の「改革」反対、アジアの共生
国民連合・長崎総会
自主・平和・民主のための広範な国民連合長崎は、七月十五日、長崎県勤労福祉会館にて第十三回総会を開催した。
この総会では、小泉「改革政治」のもとで、地方と都市間の格差、また富める者と貧しい者との一層の格差の広がり、対外的には、靖国参拝問題等で中国、韓国など近隣諸国との政治的関係が最悪の状況のもとで、多くの国民が現状の打破を求めているなかで開催された。
総会の議案討議に先立って、井原東洋一・新社会党県本部委員長、金清吉・朝鮮総聯長崎県本部委員長が連帯のあいさつが行われた。
続いて、田口信夫・長崎大学教授が「日本と東アジアの経済関係」と題して、日本と中国、日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)などとの貿易の現状・推移など資料をもとに記念講演を行った。このなかで、田口氏は「今後の東アジア共同体としての発展は、この地域の経済、貿易のみならず、EUのような統合体としての政治的にも大きな流れになってくことが望まれる。この統合によって友好関係を持続し、日中、日韓、日朝など地域間のいろんな政治的問題も解決させるきっかけになるのではないか。少なくても経済的な面での結合度は、欧州連合にかなり近づいている」と、日本は、米国追随ではなく政治的にもアジア重視の外交の重要性を力説された。
総会は、議案の議事に進み、減り続ける所得、不安定雇用の激増、農林漁業の深刻な衰退など、県民各層の生活とくらしの実態を明らかにし、格差を広げる「改革政治」に反対し、県民の生活、営業、地域経済を守る活動など、地元地方議員とも連携しながら、自治体への要請行動も積極的に行おうと決議した。そのほか、憲法改悪、教育基本法改悪、米軍再編反対などの立場で、他団体とも連携しながらも、国民連合らしい活動をめざして行動しようとの意見も出され、活発な議論が行われた。
東北アジアの平和と日朝国交正常化
緊急シンポジウムに四百人が参加
七月十一日、緊急シンポジウム「東北アジアの平和と日朝国交正常化」が総評会館で行われ四百人が参加した。主催は、「東北アジアに非核・平和の確立を!日朝国交正常化を求める連絡会(東北アジア連絡会)」 呼びかけの実行委員会。
シンポジウムでは、李鍾元・立教大学教授が「六者協議の声明の重要性」、吉田康彦・大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員教授が「ミサイル発射問題について」、 ジャーナリストの斎藤貴男氏が「癒しとしての差別を求める大衆とジャーナリズム」、和田春樹・東京大学名誉教授が「日朝関係をめぐる状況と問題点」と題してそれぞれ問題提起。櫛渕万里・ピースボート事務局長がコーディネータを担った。
李氏は、ミサイル問題での日本政府やマスコミの動きの異常さを指摘し、「制裁や圧力の強化だけでは状況を不安定にするだけ」と述べた。また吉田氏は、「ミサイル発射は国際法違反ではない」「ブッシュ政権の北朝鮮政策に米国では民主・共和党内から批判が高まっている」などと指摘。
意見表明のあと、福山真劫・平和フォーラム事務局長が閉会とまとめを行い緊急シンポは終了した。
「売られ続ける日本と米軍再編」
神奈川横浜で本山氏の講演会
七月十四日、講演会「売られ続ける日本と米軍再編」が横浜市内で開かれた(写真上)。斉藤つよし・前参議院議員、首藤信彦・前衆議院議員、久保新一・関東学院大学教授など十氏による呼びかけ人の主催。
呼びかけ人を代表して斉藤つよし氏によるあいさつの後、本山美彦・福井県立大学教授による講演会が行われた。本山氏は、米国の圧力で日本でアメリカ型資本主義が進んだことに触れ、「金融自由化で日本の金融機関を破たんさせた」「『村上ファ
ンド』のようなM&A(企業の合併・買収)こそ究極の金もうけ。株式交換による企業買収が可能になった」と指摘。規制緩和など小泉「改革」が日本の国益を売り渡していると糾弾した。また、アメリカの指揮命令に従うのが米軍再編と指摘。「日米安保条約は『軍事』だけではなく『経済の一体化』の条文がある。日米安保を破棄しない限り日本は自立できない」と訴えた。
シンポ「原子力空母の安全性を問う」
神奈川横須賀市
七月二十九日、シンポジウム「原子力空母の安全性を問う」が神奈川県横須賀市内で開かれた。このシンポジウムは、県内に勤務・在住する大学教授らが二月に結成した「米軍再編強化に反対する神奈川の大学人」(共同代表・伊藤成彦中央大名誉教授ら)の主催。
呉東正彦氏(原子力空母の横須賀母港化問題を考える市民の会共同代表)、西尾漠氏(原子力資料情報室研究員)、原澤進氏(立教大学名誉教授・元立教大学原子力研究所長)の三人のパネリストが、原子力空母の危険性について報告した。
原澤氏は、国内の原子力発電所に関する現状を報告し、過去の事故の実例や、事故のリスク軽減のために、原発が人口密集地から遠くに置かれていることなどを強調した。西尾氏は、同情報室が六月に発表した原子力空母事故の被害想定リポートを解説。また、呉東氏は、今後も反対運動を続けていくことを訴えた。