│国民連合とは│代表世話人│月刊「日本の進路」│地方議員版│討論の広場│トップ│
自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2006年7月号
日米一辺倒の小泉外交の転換、アジア共生の新しい日本の進路をめざす世論喚起をめざして、七月一日、大阪市内で講演集会「孤立する日本、改憲とアジア敵視政策を撃つ」が行われた。この集会は、社会民主党大阪府連合、全日建連帯労組関西地区生コン支部、全港湾労組大阪支部、南大阪平和人権連帯会議、近畿生コン関連協同組合連合会、朝鮮総連大阪府本部、広範な国民連合・大阪などで構成する実行委員会による主催で行われ、労働者、経営者、府民など、百八十名が参加し、講演者の話に熱心に聴き入った。
実行委員会を代表して隅田康男・社会民主党大阪府連合代表(大阪府議会議員)が開会挨拶。続いて、品川正治・経済同友会終身幹事、本山美彦・福井県立大学教授のお二人から講演が行われた。
品川氏は、中国での戦争体験を通じて「戦争を起こすのも人間、それを止める努力をできるのも人間。これが私の座標軸となった」と訴えた。
また、二度と戦争をしないと決意した日本国憲法を「支配政党は解釈改憲で、九条二項の旗はボロボロにした。それでも国民はその旗を離さない」と憲法改悪の動きを批判。さらにアメリカと日本の価値観に触れ、「戦争をしているアメリカと九条二項をもつ日本は価値観が違うのに、同じと言ったから混乱が起こっている。価値観や利害が違うときちんとしていれば日米安保も制限されたものになったし、際限なく軍事的協力を求められることもなかった」と指摘。また「アメリカは軍需産業中心の産軍複合体型の経済だが、日本経済は違う。経済面でも価値観が違うのに、価値観が同じだとした小泉首相はアメリカ型の資本主義をめざしている」「市場経済ではできない福祉、教育、環境等を市場経済に任せるのは怠慢」「大企業が何でもできるのが規制緩和」などと小泉改革を批判。最後に「憲法改正の国民投票で国民がノーといえば、日本の政治も、中国や韓国などアジアとの関係も、日米関係も、世界もガラリと変わる」と力強く訴えた。
本山氏は、ブッシュ政権以降、米国の圧力で日本でもアメリカ型資本主義が進んだことに触れ、「日本の金融機関は製造業を発展させてきた。その金融機関をアメリカは金融自由化で破たんさせた」「究極の金もうけは『村上ファンド』のようなM&A(企業の合併・買収)であり諸悪の根元。株式交換による企業買収が可能になった」と米国資本に買い漁られる日本の姿を指摘。また、アメリカ経済については「膨大な貿易赤字が続いており、製造業では解決できない。そこで世界中からカネを集めてM&Aなど投資ファンドでもうけている。日本だけでなく、中国もねらわれている」と指摘した。最後に「日米安保条約は『軍事』だけない。『経済の一体化』の条文があり、アメリカ型資本主義を押しつけられている。日米安保を破棄しない限り日本は自立できない」と指摘。「日本の国益をアメリカは買い漁っている。規制緩和など日本の国益を売り渡す政治はまさに売国奴」と小泉「改革」を糾弾した。
集会は、参加者の質疑応答の後、南大阪平和人権連帯会議の加来洋八郎議長の閉会の挨拶で終了した。
講演集会は、小泉政権の対米追随ぶりを具体的に明らかにし、反対する人々が広範に広がっていることを確認する機会となった。また広範な戦線を形成する上で有利な条件があることを再確認する濃い集会となった。
(広範な国民連合・大阪 事務局)
六月十六日横浜市で、今年一月に横須賀市内で起きた米兵による女性惨殺事件に抗議する集会が開かれ、二百人が参加した。主催は、「沖縄と連帯するかながわ女性の集会実行委員会」。
集会では、原子力空母の横須賀母港化の反対運動を進めている呉東正彦弁護士が、女性惨殺事件を状況を説明した。
呉東氏は「強盗目的で何の罪もない被害者を撲殺した許し難い犯罪。しかも被告は反省の態度がない」と怒りを込め、「被告は無期懲役の判決になったが米国の戻れば遠からず仮釈放されるだろう。米軍人の犯罪は日米地位協定で守られ、日本の警察も弱腰だ。横須賀市民は戦後ずっと米兵の犯罪に泣き寝入りしてきた」と指摘した。
「米軍人・軍属による事件被害者の会」の海老原大佑氏は、息子を米兵の事故で亡くしたが、「米軍代理人から示談を強要され、外務省や防衛庁など日本政府も示談が前提と米軍に味方した」と指摘し、「米軍や日本政府にとって日本人被害者の命は軽い。民間で『被害者支援センター』をつくって支援しあえる仕組みが必要だ」と訴えた。
岩本香苗・相模原市議は、二〇〇二年に韓国で起こった米戦車による二名の女子中学生れき死事件の経過を報告し、「米軍司令部の座間移駐で市民生活の危険性は高まる」と訴えた。
基地県・神奈川で、県民の命と生活が脅かされている実態を再確認し、米軍再編に反対する闘いの決意を新たにする集会となった。
地域・自治体から米軍再編に対してどう闘うかを話し合うフォーラム「日米軍事再編と基地強化に異議あり! みんなで自治体の平和力を支えよう!」が六月十八日、横浜市で開かれた。各地域の平和運動センターや平和団体などで構成する実行委員会の主催で、全国から百七十人が参加した。
中山均・新潟市議の主催者あいさつの後、沖縄県宜野湾市基地政策部の山内繁雄・次長が、自治体の取り組みについて基調報告を行った。山内氏は普天間基地の米国本土移設を求める取り組みを説明し、「日米政府は県民のことをまったく考えていない。ケンカをするくらいの気持ちで臨むことが必要」と指摘した。
続いて、金子富貴男・相模原市議、原島浩子・横須賀市議、田村順玄・岩国市議、「鹿屋に米軍はいらない鹿児島県民の会」の山崎氏も名護ヘリ基地反対協議会の安次富浩氏らがパネル討論を行った。
安次富氏は、九月の名護市議選や十一月の県知事選なども通じて、新基地建設の危険性を県民・市民にいっそう浸透させたいとのべた。
田村氏は、米軍艦載機部隊移駐に反対している市長に対し、住民投票や市長戦後も国が圧力をかけつづけていること、市議会では保守系の市議らが「防衛は国の専管事項」と市長を攻撃していることを報告。「しかし、住民投票などを通じて市民の意識は大きく変化しつつある」と今後の闘いの決意を述べた。
山崎氏は、保守系も含めて幅広い連携で八千人の市民集会を開催したことを報告し、この経験を今後の取り組みにも生かしたいと述べた。
金子氏は、今回の米軍再編で「厚木基地の騒音被害が軽減される」などと主張する国のでたらめさを具体的に批判し、米軍再編・強化によっていかに危険性が高まるかをさらに知らせていく必要があると述べた。
原島氏は、原子力空母の母港化受け入れを表明した横須賀市長を批判し、市民にいっそう広く原子力空母の危険性を訴えていく必要があると述べた。
各地での経験を交流し、米軍再編・強化に反対する全国的な連携を強める重要な取り組みとなった。