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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2006年5月号

米軍再編に対する各地の動き


【沖縄】
 名護市長が普天間の辺野古移設を容認。稲嶺知事も国の圧力に屈して事実上妥協。しかし、四月二十三日の沖縄市長選で、嘉手納基地の自衛隊の共同使用に反対する東門美津子氏が当選。四月二十八日、名護漁協は沿岸案受け入れ拒否を確認。沖縄県民の県内移設反対の世論は変わっていない。十一月に予定されている県知事選挙では大きな争点となる。
 最終報告が合意された翌五月二日、嘉手納基地所属のF15が滑走路脇の緑地帯に突っ込む事故が起き、県民の怒りを買っている。

【山口県・岩国基地】
 岩国基地への空母艦載機移駐の最終報告に対し、井原勝介・岩国市長は、「住民投票、市長選であれだけの反対が示されたのに、全く要望を聞かないというのはどうか。容認できない」と政府を批判。
広島県西部三市(廿日市市、大竹市、江田島市)でつくる移転計画反対期成同盟会長の山下三郎・廿日市市長は、「『そうですか』と言いなりになるわけにはいかない。夜間離着陸訓練を西日本で行うという話もあり、息の長い運動で白紙撤回を求める」と語気を強めた。大竹市の中川洋市長や藤田県知事も反対。
 五月二日、連合山口などが「米軍再編・最終報告に抗議する座り込み集会」を行った。五月三日には広島で最終合意に抗議し、破棄を求める集会や座り込みが行われた。
 九日には、井原勝介・岩国市長と山下三郎・同県廿日市市長が会談し、今後も連携して計画に反対していくことを確認した。

【神奈川・キャンプ座間など】
 相模総合補給廠の一部返還について小川勇夫・相模原市長は一定評価しつつ、キャンプ座間への新司令部の移転計画については、「基地の機能強化と恒久化につながる。負担が増加されたことは残念だ」と発言。
 星野勝司・座間市長は、「非常に残念。到底承服できない」と発言。

【福岡県・築城基地】
 五月二日、築城基地がある築上町、行橋市、みやこ町の三首長は最終合意に反対することを再確認。十二日に築上町で百七十人が参加した最終報告の町民説明会。大半の発言者が騒音、治安問題などの悪化を懸念して米軍の訓練移転に反対の発言。「町民が反対行動に立ち上がるべきだ」との声も出た。

【宮崎県・新田原基地】
 新田原基地(新富町)への米軍訓練移転問題で、地元二市三町の首長と議長でつくる「在日米軍再編に係る米軍の新田原基地使用反対対策協議会」(会長・土屋良文新富町長)は五月八日、あらためて訓練移転に反対する意思を統一した。
 土屋良文町長は「今後、米軍の新田原基地の使用拡大が懸念され、到底、受け入れられない」と述べた。宮崎県の安藤忠恕知事も「賛成するわけにいかない」と発言。

【鹿児島県・鹿屋基地】
 最終報告の空中給油機の訓練について、大隅半島四市五町の首長と議長で構成する「大隅総合開発期成会」、肝属地区二市四も町の首長でつくる「市周辺地域米軍再編問題対策協議会」、鹿屋基地周辺の町内会長らでつくる「市基地関係連絡協議会」が五月八日、それぞれ反対を確認。鹿屋市は五月九日、「市米軍移転問題に関する意見交換会議」を開き、再び全会一致で「断固反対」を決めた。