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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2006年1月号

代表世話人からの新年メッセージ

「大連立」で分裂を誘う「九条改憲」への布石

吉元 政矩


 「国民投票法案一月提出」・「自公民一致、改憲向け調整」の文字が、朝刊一面トップの見出し(沖縄タイムス〇五年十二月二十一日)である。九・一一解散総選挙で圧勝した自民党、その勢いで結党五十周年記念大会では「新憲法草案」を発表し、はずみをつけた。それより一足早く、民主党も「憲法提言」(十一月一日)を発表した。選挙で圧勝し笑いが止まらない小泉さんだが、惨敗した民主党に対し繰り返し「大連立」を呼びかけている。
 順風満帆に見える小泉連立政権だが、不安も付きまとう。「挙党一致」にない自民党が、第一の不安であろう。
 第二の不安は、参議院・自民党だろう。〇四年十二月・「二院制を否定」する改憲素案を憲法調査会長らがまとめたが、参議院側の反発で撤回に追込まれた。党内の「参院不要」論に小泉の影を見た。郵政民営化法案・否決の参院自民党の対応に、「二院制を否定」した衆院の解散である。
 第三の不安は、連立のパートナーである公明党である。この間、教育基本法と憲法「改正」への与党間調整の行き詰まりであり、そのうえ「靖国参拝」での小泉批判である。
 「三つの不安」を一気に解消するには「大連立」しかない。しかし、民主党内には「九条護憲」派を抱えているだけに無理なことは承知。だとしたら、民主党に「左を切る」ことを進めているのであろう。公明党にどう映っているのだろうか。ここにきて、公明党も「九条一項、二項は堅持するのが今の公明党の立場だが、国際貢献と自衛隊の明記については、この一年の議論を得て、何らかの(九条改正)を出す」(読売十二月二十一日)と表明した。
 この一年を振り返ってみたい。〇五年二月十九日・「2プラス2」(日米安保協議委員会)による共同発表(日米の共通戦略目標を確認、日米安保・防衛協力の強化)である。八カ月後の「日米同盟・未来に向けた変革と再編」という名の中間報告(十月二十九日)は、「同盟の変革」と位置付けた。
 政府は、すでに在日米軍再編推進関連法案の策定に入っている。「公有水面の使用権限」を、知事から国に移管する条文も加えられる。法案提出は四月をメドとするようだ。「六年間の時限立法」というが、グアムにおける施設整備も二〇一二年である。解散がないとすれば、二〇一三年は「ダブル選挙」である。「戦争ができる日本」への国民投票は…‥。新年早々「悪い夢」であってほしいのだが、確実に「九条改憲」の布石は打たれている。
 キャンプ座間、岩国、そして沖縄を、「闘いの拠点」とした広範な国民運動を構築したい。