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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2006年1月号

代表世話人からの新年メッセージ

悪政を打ち破る国民連合に

吉田 伸


 広範な国民連合の皆さん、おめでとうございます。新年早々ではありますが、第十三回全国総会後に思いついた一点を申し上げたいと思います。全国総会は神奈川の人たちのおかげをもちまして成功裡に終わりました。只一点、組織強化や財政問題についての議論が不十分ではないかと思います。毎年申し上げているところですが、ヒト、モノ、カネの三位一体は組織運営、運動に欠かせないものと思われます。チエあるものはチエを、足あるものは足を、カネあるものはカネを、と個々の特徴を生かした運動が必要かと思います。
 さてこの間、小泉内閣登場以来「改革」政治と称して数多くの経済的負担と精神的苦痛が国民に課せられています。
 厚生年金の改悪は中小企業に働く労働者、経営者に多くの経済的負担、とくに高齢労働者に将来不安を拡大するものとして見過ごすわけにはいきません。また昨年行われた三位一体改革による市町村合併は当初の目的を下回り、七月に行われた地方議員交流会においても多くの意見が出され、市町村合併投票の結果、合併断念や合併後も多くの矛盾等が報告されています。
 また郵政民営化法案は総選挙後、参議院において可決されました。私は仕事上、また個人的によく郵便局を利用します。現在の郵便局は少数の局員でよくがんばっていると思います。配達についても午前十一時、午後三時と定期便の如く他の国には真似のできないことと思います。民営化後は現状維持ができるか、過疎地はどうなるのか気にかかります。
 昨年秋には医療制度構造改革試案なるものが出されました。内容は高齢者の負担増、長期入院者の実費負担等、弱者に容赦のない試案です。定率減税の廃止、消費税の引き上げなど増税問題も深刻です。小泉首相曰く「先進国に比べ税額が少ない」と庶民のささやかな楽しみである酒やタバコの増税等は低所得者層に対するイジメ以外の何ものでもありません。
 一方、安保外交政策は米国一辺倒を続け、「日米関係が良ければアジア諸国との友好関係が保てる」とうそぶいている始末です。沖縄、神奈川、岩国をはじめ米軍再編問題は今年の重要な闘いの一つです。基地のない地域の人たちは関心が薄く「対岸の火事」の如く思われているかも知れませんが、広範な国民連合として何ができるか真剣に検討しなければなりません。
 こうした悪政を労働組合・市民が一体となって正さなければなりません。労働組合は経済闘争、思想闘争、政治闘争を結合させ弱者との共存をはかるのが本来の仕事ではないでしょうか。残念ながら今日の労働組合は影も形も見えません。私たち広範な国民連合は地域、労働組合と一体となって、これら悪政を粉砕しようではありませんか。
 今年は戌年です。古来、戌は邪を払い福を呼ぶといわれています。皆さんにとって良き年でありますよう祈念します。