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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2005年11月号
岩国基地―連合と平和運動センター
広島県原水禁前事務局長 横原 由紀夫
十月二十三日十三時半、岩国市元町第三公園に約三千人が中国各県から結集した(写真)。
連合中国ブロックと平和フォーラム(平和運動センター)中国ブロックで実行委員会を構成し、「米海軍厚木基地の機能およびNLPの移転案反対」「低空飛行訓練に反対」のスローガンに結集する市民集会として開催したものである。私たち広島の市民団体も参加。
集会では、連合代表、平和フォーラム代表の挨拶、地元岩国出身の民主党衆議院議員の来賓挨拶に続き、広島県西部三市二町(廿日市市、大竹市、江田島市、宮島町、大野町で結成し会長は廿日市市・山下三郎市長)でつくる「移転計画反対期成同盟」の副会長である大竹市長が決意表明を行った。
計画案が浮上して以降、岩国市長の反対表明、廿日市市長の反対表明と続き、住民が呼応して岩国市、広島県西部三市二町で「署名活動」が取り組まれている(遅れて、労働団体も取り組み開始)。広島県知事は早くから「低空飛行反対、NLP反対」の表明をしており、広島市長も反対のアピールをしている。
「連合」が基地問題で集会を開催するのは今回が初めてであるが、行政・住民団体の取り組みが先行して行われている最中であり、支援・激励する意味でも大きな集会であった。
この間、広島では、広島県原水禁と平和運動センターが原爆ドーム前で数度にわたる座り込み行動を行い、私たち市民団体は「街頭行動」でアピールとFAX署名活動などを取り組んできた。
課題は、今後、行政・住民団体・市民団体・労働団体が結束して幅広い実行委員会を結成して大規模な集会が行えるかどうかである。
また、基地機能強化反対のスローガンに示されるように、米軍基地反対で一致しているわけではなく、日米安保条約の評価が異なっている点である。「米軍基地撤去」と「日米安保条約反対(軍事同盟から平和友好条約へ)」運動が基盤になければ、日米両政府の都合によって、基地がたらいまわしされることになり、根本的な解決につながらないことになる。
米軍基地の大半が「沖縄」に集中し、沖縄は事実上日本と米国の植民地とされている実態を考慮すると、根本的な解決を目指す運動の強化、多数派を形成するための「平和運動」(市民運動)の覚悟が問われている。集会が散会したとたんに、基地から、戦闘爆撃機が二機、物凄い轟音を轟かせて発進した。私たちを嘲るように……。
(二〇〇五年十月二十四日)