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自主・平和・民主のための広範な国民連合
第13回全国総会
国民のみなさん
郵政解散・総選挙で勝利した小泉首相は、郵貯・簡保の資金を日米大企業の食い物にし、特定郵便局長や郵便労働者、地方を犠牲にする郵政民営化法案を成立させ、郵政民営化法案に反対した造反議員を追い出し、国民各層に犠牲をおしつける構造改革をやつぎ早に打ち出しました。
中小零細商工業者や農林漁民に低利・長期の融資を提供してきた国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫など政府系金融機関の統廃合・事業縮小に着手しました。農家への助成を少数の「担い手農家」――4ヘクタール(北海道10ヘクタール)以上の大規模農家と40ヘクタール以上の集落営農――に限定し、それ以外の農家を切り捨てる方針を決定しました。ブッシュ政権の要求に従い、BSE感染のおそれもある生後20カ月以下の米国産牛肉を検査なしで輸入再開することにしました。公務員労働者の賃下げ、人減らしをはかる公務員制度改革を打ち出しました。国民負担増となる医療制度改革などの社会保障費の削減に乗り出しました。生活保護費や義務教育費の国庫負担の引き下げなど、三位一体改革の名で国家財政の赤字を地方にしわよせしようとしています。高額所得者の所得税や大企業の法人税を大幅に引き下げたまま、定率減税の完全廃止、消費税の大幅引き上げを計画しています。
国民のみなさん
小泉内閣の改革政治は、国民大多数の暮らしを良くするものではありません。小泉内閣4年間の事実がそれを示しています。上位2割の最高所得層と下位2割の最低所得層の所得格差は、この4年間で60倍から約200倍へ急拡大しました。生活保護世帯は過去最高の100万世帯を突破しました。他方で、トヨタの営業利益はこの4年間で倍増し、1兆6700億円を超えました。そのトヨタの奥田会長が、改革政治の指令部である経済財政諮問会議を牛耳っています。ブッシュ大統領も日米首脳会談で小泉の改革政治を高く評価し、郵政民営化で米企業が同等の扱いを受けられるようにせよと要求しました。
ある著名な政治家が述べているように、「小泉政権の本質は、アメリカ型市場万能主義の急速な導入とアメリカの権益が関わる戦場への日本の派兵」にあります。小泉内閣の改革政治は、弱肉強食の市場万能主義によって国民大多数痛みをおしつけ、トヨタを先頭とする多国籍大企業や一握りの都市富裕層の利益をはかるものです。しかし、国民各層を同時に敵にまわす改革加速は、小泉内閣の強さではなく余裕のなさの現れです。総選挙の勝利も不平等な選挙制度、公明党の選挙協力、閉塞感を深める都市無党派層の一時的な支持によるものでしかありません。造反議員への攻撃、中小零細商工業者や農林漁民の切り捨てで、小泉自民党の政治基盤は脆弱になりました。議席を減らした公明党との矛盾も拡大する傾向にあります。対米従属の安保外交・改革政治で小泉自民党と競い合い、「労組依存からの脱却」をかかげる前原民主党と労働組合とのミゾも深まる傾向にあります。
国民のみなさん
大多数のみなさんが求めているのは、多国籍大企業や都市富裕層の利益をはかり、アメリカのご機嫌をうかがう改革ではなく、国民大多数のための真の改革だと思います。そのためには、まず小泉の改革政治を打ち破らなければなりません。ばらばらでは勝てませんが、労働者、中小零細商工業者、農林漁民、市民など国民各層が力をあわせれば打ち破ることができます。多少の意見の違いを超えてそれぞれの要求と運動を支持しあい、互いにエールを交換し、例えば消費税引き上げ反対など共通の課題で連携して闘いましょう。広範な国民各層が連合して、小泉の改革政治を打ち破ろうではありませんか。
2005年11月20日
自主・平和・民主のための広範な国民連合第13回全国総会