国民連合とは代表世話人月刊「日本の進路」地方議員版討論の広場トップ


自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2005年8月号

各地の国民連合

東京/三重/福岡/長崎


第十一回総会を開催
広範な国民連合・東京


 六月二十六日、広範な国民連合・東京は第十一回総会を開催しました。
 片岡健代表世話人の開会挨拶のあと、全国事務局から、広範な国民連合が準備している地方議員全国交流会の様子などが紹介されました。総会へは、衆参の国会議員、社民党東京都連合、日本婦人有権者同盟、各地の国民連合などから多数のメッセージが寄せられました。
 横田基地と教育現場から特別報告が行われました。横田基地飛行差し止め訴訟団事務局長の福本道夫さんは、米軍再編の下で横田基地が置かれている現状や、石原東京都知事が旗を振る「軍民共有化」に名を借りた基地固定化策の実態について怒りの報告を行いました。八王子市教職員組合副委員長の秋山良一さんから、入学式・卒業式での日の丸・君が代強制と、これとの闘い、さらに教育現場ですすむ教職員と生徒への管理強化など、急速に反動化する教育行政の実態が報告されました。
 議案討議では、特別報告に対する質問、情勢に対する意見、そして今年度取り組むべき重点課題について活発な意見や補足提案が行われました。議案討議の後、前年度決算報告、今年度予算提案、および今年度の役員人事提案が行われ、一括採決で本年度方針を決定しました。
 今回は数年ぶりに労働運動、部落解放運動で活躍する新しい世話人が四人加わり、今後の運動に活気を与えることが期待されます。


「アジアの平和と共生」
吉元政矩氏講演  
三重

 広範な国民連合・三重は七月二日、「アジアの平和と共生を考えよう」をテーマに吉元政矩さんを迎えての時局講演会を開催しました。
 米軍のイラク侵略から二年がたち、ますます泥沼化の状況です。同盟国からも孤立して、米国の世界戦略である「不安定の弧」戦略は、いまや破たん状態であるといっても過言ではありません。
 その米国に付き従う小泉内閣は、在日米軍の再編強化と米軍・自衛隊の軍事一体化を推し進め、戦争のできる国づくりと憲法改悪に突き進もうとやっきになっています。米軍再編問題は、八月には日米政府の調整を終え、この秋には日米防衛協力のためのガイドラインに反映させる意向のようです。沖縄普天間の再編強化の動向は予断を許さない政治状況にあります。そうした中で、沖縄から吉元政矩さんを迎えての講演会は時宜にかなったタイムリーな企画でした。
 県職労や教組などの労働組合青年部を中心に、社民党関係者や市民運動団体など約八十名の参加者が、吉元さんの一言一句を聞き漏らすまいと真剣な面持ちで聞き入っていました。吉元さんは、米国の新たな世界戦略と在日米軍基地の再編強化のねらいを具体的に指摘しながら、東南アジア諸国連合や中国・韓国・日本・インドを中心とした東アジアにおける経済の発展や安全保障の構築(東アジア共同体の実現)こそが、日本の進むべき道であり日本の役割であると訴えました。
 吉元さんから「将来を見通す力」を身につけることの大切さを教えられ、同時に今後の活動に勇気と自信を与えていただきました。また、今回の労働組合の積極的な参加と支持の広がりからも情勢は私たちに有利です。広範な国民連合・三重としても、今回の講演会を糧に秋の総会に向けて一段の飛躍を図るべく努力することを誓い合ったところです。


福岡でシンポジウム「いま
日本とアジアの関係を問う」

 七月九日(土)、福岡市の九州大学において、「いま日本とアジアの関係を問う」シンポジウムが開催され、県内各地から三百五十人が集まり、「アジアの共生!九州、福岡を平和の起点に」をテーマに活発な討論がおこなわれました。
 主催は、呼びかけ人・賛同人など超党派でつくる実行委員会。なお大韓民国民団福岡県地方本部、朝鮮総連福岡県本部が協賛されました。各界から百二十名の方々が、趣旨に賛同しました。     
 はじめに事務局を担当した宮田こずえさんからこの取り組みの経過報告と開会宣言がおこなわれ、続いて呼びかけ人を代表して、広範な国民連合・福岡代表世話人の久保山教善さんが「このような取り組みはタイムリーであり、各界との共同の取り組みが実現できたことの意義が大きい」とあいさつされました。さらに中国駐福岡総領事、福岡県知事からのメッセージが読み上げられました。
 元駐インド大使の野田英二郎さんは「日本外交の行き詰まり」というテーマで基調講演をおこないました(講演要旨は次号掲載予定)。
 シンポジウムでは、横山宏章・北九州大学院教授、潮平芳和・九州大学大学院助教授、中村元気・平和・人権・環境福岡県フォーラム代表と野田さんを交えてのパネリストと小林慶二・アジア共生学会会長がコーディネートを行い、パネルデスカッションと会場からの発言も交えて、活発な討論が繰り広げられました。会場からは、歴史教育にたずさわっている教員や学生、ジャーナリスト、女性団体の方などの発言や質疑が交わされました。
 中国や韓国の対日批判の背景を探り、日本の側から声をあげ、アジアの共生、平和友好をこの福岡の地から発信していくことなどが確認された有意義な討論となりました。
 最後に、強制連行された朝鮮人を追悼するための運動をすすめてきたムグンファの会理事長の裴来善さんが閉会あいさつを行い、自らの運動を紹介しながら、「足を踏まれたものの痛みを忘れないでほしい」と訴えました。      (事務局)


広範な国民連合・長崎総会
県民各層の連携で前進しよう

 七月十六日、長崎県勤労福祉会館において、広範な国民連合長崎第十二回総会が開かれた。
 主催者を代表して挨拶に立った藤澤秀雄代表世話人は、「戦後五十年の村山内閣のときも国会決議が行われたが、それから十年、さらに軍国主義化が進んできた。JR西日本の事故でもわかるように、会社の運営が軍隊組織と変わらなくなってきている。国会でも小泉首相の声一つで、議員が震え上がるという事態で、司令官の顔色をうかがっている状況だ。このような状況を打ち破るためにも、我々がまとまって運動をすすめなければならない」と訴えた。
 次に、中尾順光氏(長崎市認定農業者連絡協議会会長)と村木榮介氏(株式会社矢太樓代表取締役社長)の二人の特別報告があった。中尾氏は、「この十年農家の離農が一段とすすんだ。さらに、高齢化がすすむなか、若い農家の方を中心に、認定農業者という制度のなかで、生産のかたわら、農業全体の勉強、研究、販売も積極的に展開している。しかし、斜面都市長崎では、良い土地はいま、ほとんど住宅に変わったりして、地形的にも厳しものがある。いまは、自由化に押しつぶされないようにと、協同組合化、法人化して対応しようと考えている」。また、村木氏は、長崎県の観光の低迷の現状をデータ等も示しながら、「政府の税制調査会は、家族四人の標準家庭の年収が七百万円と発表したが、ほんとですか。三百万円くらいですよ。平和で安定しないと、皆さん旅行には行きません。どうしてもそういう意識をもたざるをえない」と話した。
 引き続き、長崎県平和運動センター事務局長・坂本浩氏、新社会党長崎県委員会委員長・井原東洋一氏、在日本朝鮮人総聯合会長崎県委員会委員長・金清吉氏、在長崎中国総領事館領事・李承志氏、長崎市議会議員(旧三和町町長)・高比良元氏の来賓の挨拶、紹介があった。
 第二部の議事では、「多国籍企業のなかで、特に軍産複合体を問題にすべきだ。平和都市長崎といわれる一方で、三菱は、この長崎でイージス鑑など兵器を生産し続けている」という意見などもありました。最後に議案が一括採択され、役員が選出されて閉会した。


BSE問題で日米公開討論会
安全無視の米国

 二〇〇三年末の牛海綿状脳症(BSE)発生以来停止している米牛肉の輸入再開問題について、七月二十六日、「大丈夫?アメリカ産牛肉の輸入 日米公開討論会」が開かれた。平和フォーラムや日本消費者連盟などの主催で約二百人が参加した。
日本側の生産者や研究者などから、米国のBSE検査体制や特定部位除去の実効性、肉骨粉の資料規制などさまざまな疑問や質問が出された。これに対して、米国側のクレイ・ハミルトン米国大使館首席農務官は、「米国のBSE対策は有効に機能している」と従来の主張を繰り返すのみで、その根拠も明確に示さなかった。安全無視の米国の輸入再開圧力に屈してはならない。