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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2005年5月号

基地返還は市是

市民ぐるみで米陸軍司令部移設に反対

座間市渉外課長  鈴木 寛幸

 米軍再編に伴う米陸軍第一軍団のキャンプ座間移設計画に、地元では市、市議会、市民一体の反対運動が展開されている。座間市渉外課の鈴木寛幸課長に座間市の取り組みを聞いた。文責編集部。

 相模原市と座間市にまたがるキャンプ座間は、本市の面積の三・五%(約六十二万平方メートル)という広大な土地を占めています。まちづくりを進める上でも、大きな阻害要因となっており、市政にさまざまな影響を及ぼしています。長年にわたり基地の返還促進に取り組んできた結果、部分返還がなされていますが、基地の全面的な返還が「市是」であり、市民の願いです。
人口が急増していた一九七一年当時、キャンプ座間に自衛隊移駐という話が持ち上がりました。これは基地の整理縮小・返還を求めてきた市の要求に逆行するものです。結局、自衛隊が移駐されましたが、その際、「基地の縮小に最大限の努力をする」という覚え書きを横浜防衛施設局と結びました。キャンプ座間の整理縮小・返還は座間市の市是に変わりありません。
 さらに、厚木基地(大和市・綾瀬市)に隣接しており、基地騒音問題も市民生活にとって深刻です。住宅街の中にあるため、通常でも騒音に対する苦情が市に寄せられます。とくに空母艦載機による夜間連続離着陸訓練(NLP)はすごい騒音で、神奈川県の調査によると、座間市の大部分の地域がうるささ指数七〇以上となっています。夏の夜間に訓練があるとすさまじい騒音で市民生活にとって深刻です。
 そういう中で、昨年から米軍再編に伴って、米陸軍第一軍団司令部のキャンプ座間移転の計画が再三にわたって報道されてきました。この移転が事実とすれば、キャンプ座間の基地強化・恒久化につながるもので、基地返還を求めている市民の願いに反するもので到底容認することはできません。ですから市をあげて反対しています。相模原市と連携して何度も防衛庁や外務省に要請を行ってきました。国は、「正式の話はまだきていない」「まだ決まっていない」という返答です。再三の要請で、国は「決まったからお願いします、という対応はしない」と回答しています。
 座間市議会も、昨年の三月、八月、十月の三度、移転反対の意見書等を決議して、国に提出しています。
 昨年十一月には、座間市、座間市議会、座間市自治会連絡協議会の三者一体となって、「キャンプ座間米陸軍第一軍団司令部等移転に伴う基地強化に反対する座間市連絡協議会」を発足させ、本格的な反対運動を展開しています。具体的には、協議会として外務大臣や防衛庁長官あてに要請書を手渡しています。市役所の懸垂幕(写真)、市内にある自治会掲示板六百か所はじめ公共施設へポスターの掲示、さらに四月十八日からは、「移設反対の署名活動」を開始しました。議会を中心に市長や助役も駅頭に立って署名活動を呼びかけています。また、市民を対象にした講演会を五月十七日に計画しています。
 こうした状況ですから八月の「日米親善盆踊り大会」は、市民感情を考えて中止を決定しました。今後も市、市議会、市民が一体で、第一軍団司令部の移転に反対していきたい。