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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2005年3月号

各地の動き

川崎/三重/埼玉/宮崎


安田純平講演会/川崎市

 二月十四日夜、川崎市の中原市民館ホールで、講演会「安田純平さんに聞く」が開催された(写真左)。
 昨年、各地で開催された安田純平さんの講演会は、日頃組織されていない多くの学生や主婦層が立ち上がり、イラクの実情を考える世論形成に力を発揮したと聞きました。そこで、川崎市でも取り組もうと実行委員会を立ち上げ、準備に入った。最初に行政やマスコミに協力をお願いした。最終的には川崎市、市民活動センター、川崎市教育委員会、神奈川新聞・朝日新聞・東京新聞の支局が後援を引き受けてくれた。
 実際の宣伝は二週間で、平日の朝夕は会場近くの駅頭、週末は昼間に繁華街で講演会への参加を訴えチラシを配布した。九カ月前の出来事ですが、安田さんの拘束は多くの人々の記憶に刻まれていた。通りすがりに安田さんの名を聞いて手を出し、戻ってチラシを取りに来る人がいる。しかも、若い人が目立つ。宣伝後には、連絡先の携帯電話・メールに「事前の申し込みが必要ですか?」などの問い合わせが入る。
 たくさんの後援もいただいたので、市の施設(市民館、図書館、区役所)にポスターとチラシを置かせていただき、若い人たちの反応がよいので全高等学校、大学、地元の小中学校にもポスターの貼付をお願いした。ボランティアで手伝うという人も現れ、チラシ配布やJR駅へのポスター貼付も進んだ。
 当日は二百二十名の参加があった。安田さんの講演は実に淡々とした話ぶりだったが、イラク現地の生々しい事実が伝わってくるものだった。拘束に至る現地の様子、拘束されてから触れた人々とのやりとり、アメリカに対する憤り、そしてマスコミの報道と実際のズレを、昨年十月の日本での新聞報道の事例を取り上げて説明した。また、最近見てきたスマトラ沖地震とこれをめぐる「国際支援」の様子を、米軍のイラク占領と比較しながら触れたのも新鮮だった。会場からの質問も、若い人たちがリードして活発に行われた。少し時間がなくなって数名の発言にとどまったのが心残りだった。
 参加者の感想文の多くが「貴重な話をありがとう」「米国が他国に与えている痛みをもっと知らせて」「またぜひ案内してください」などの内容で、実行委員会が感動してしまった。アンケートからみると学生の参加が一〇%。年代別では十代と二十代が一八%、三十代二一%など。地域別でもチラシを配った行政区からの参加が四三%を占め、「チラシを見て参加」が多かった。
 後日の実行委員会の反省会では、「多くの参加があり良かった」「もっと安田さんの話を聞かせる機会を作ろう」「無関心なようで若者が真剣だし、もっと広めたい」など、知り合ったばかりの仲間がうちとけてこれからの話を語った。
 神奈川には米第一軍団司令部の座間移転問題、原子力空母の横須賀母港化問題など、課題が山積している。米軍再編問題で危険な道を選択した小泉政権の横暴を阻止するためにも、若者を含めて広く呼びかければ力になる、そういう自信を持たせてくれる講演会であった。(神奈川事務局)



広範な団結で行動の年に/国民連合・埼玉総会

 二月二十七日、広範な国民連合・埼玉の第七回総会を行いました。昨一年は、自衛隊のイラク派兵に反対して、元防衛庁教育訓練局長の小池清彦・新潟県加茂市長を招いた講演会を行ったり、集会やピース・ウォークにも参加しました。また、八月の全国地方議員交流会には前年の二倍をこす参加者があり、埼玉での議員交流会実現にも意義ある取り組みでした。さらに、「新しい歴史教科書をつくる会」元副会長の高橋史朗氏の県教育委任命問題で、労組や市民団体と共に抗議の集会やデモにも取り組みました。こうした活動を総括し、これからの一年を行動し闘う年にする方針を採択しました。
 石川元平さん(宜野湾市基地対策協議会委員)に、「沖縄から問う日本の進路」と題する記念講演を行っていただきました(写真左上)。石川さんは「過去は現在と未来の道標」であり、日米関係と沖縄の歴史を問い直すことは重要だと提起されました。また沖縄の現状が報告され、従属的な日米関係は断ち切るべきだと訴えられました。
 この一年は日本にとって、アメリカの世界戦略に一層深く組み込まれ、アジアの国々と敵対し、危険な道へと大きくカーブをきった年でした。そのことが私たちの日常生活の中でも誰の目にも明確になってきました。これからの一年、広範な人々と連携して政治を根本的に変える国民連合にしていこうと決意を新たにしました。



とめよう!教育基本法の改悪
四日市の講演集会に二百五十人参加

 一月三十日、三重県四日市市勤労者総合福祉センターにおいて、「とめよう!教育基本法の改悪」の講演集会を開催し、二百五十人の参加がありました。
 講師の大内裕和氏は、「東京都教育委の『一〇・二三通達』(二〇〇三年十月二十三日の通達)の『日の丸・君が代』の強制と通達に違反した教職員二百七十名の処分、またイラク反戦ビラ戸別配布に対する逮捕起訴、戦前戦中の治安維持法以上の弾圧、自衛隊のなし崩し派遣…。このような情勢のなかで、『戦争のできる国』『お国のために命を奉げることをいとわない人づくり』をめざした『教育基本法』改悪の動きが急である」と指摘した。具体的な事例をあげて問題点と今後の課題をわかりやすくお話しいただき、活発な質疑応答が行われました。
 参加者の一教師から「君が代斉唱はしない、生徒には強制させない」と力強い決意表明がある中で集会は成功裡に終わりました。

市民と労働組合が連帯した闘いをめざして
 これまで私たちは、「憲法改悪阻止」「反戦平和」の闘いは、反戦平和を願う市民団体と労働組合が手を結び広範な闘いに発展させるをモットーに、県下の主要労組が結集しているフォーラム平和三重との連帯をもってきた。毎年五月三日の憲法記念日には平和メッセージの交換を行い、また昨年には「日の丸・君が代と教育基本法」で、三重県教職員組合に共催を申し入れた。今年八月に「教育基本法改悪反対県民会議」の組織化を提案するなど常に労働組合との連携を心がけてきたことが、今集会に労働組合から約八十名の参加をえて集会の成功につながったと思っています。(とめよう!教育基本法改悪、一・三〇講演集会実行委員会代表 小林敏夫)



広範な住民連合(宮崎)総会

 国内外の混乱と右傾化がいっそう進む中、設立から六年目に当たる総会をさる二月十九日に開催した。
 憲法改正の動きに危機感を強め、昨年は平和・民主・共生の三部会制をいったん休止し、全体で憲法問題に焦点を絞って討議を行ってきた。十月からは『世界』別冊「もしも九条が変えられてしまったら」を参考に、学習・討議を重ねた。第三土曜日を定例学習会に当てたが、南北に長い宮崎の地理的状況もあって、毎回参加者が十五〜十六名にとどまっていた。こういうことから、機関紙「だんぷう」の内容の充実をはかり、参加できない会員に問題意識を共有してもらうと同時に、外に対しての広報を目的として、年四回の季刊とすることとなった。
 また、核廃棄物中間貯蔵施設誘致に、南郷町が動いたことなどもあり、緊急の署名や現地での交流・学習など、会員の熱心な働きかけに共働した。この問題は、反対行動の立ち上げが早かったことなどもあり、ひとまず白紙撤回となった。こういった緊急の動きに対して、すばやく対応できる体制も今後の課題である。
 昨今のインターネットの普及状況を考えると、広報の方法も一考の時期にきている。
 会員五十名程度の会で、会員の拡大も思うように行かないが、機関紙の配布や会員外の協力などから、会の認知は少しずつ進んでいるものと思う。今年も、九条廃止阻止に向けた動きの他団体との連携をとりながら、定例会を中心とした地道な活動を中心にしていきたい。