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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2005年2月号
普天間基地の代替基地として米軍の暫定使用や自衛隊部隊配備計画が浮上している下地島空港(沖縄県・伊良部町)。昨年十一月二十八日、二千人が結集した「軍事利用反対」の宮古郡民決起大会が開かれた。沖縄県教組宮古支部の池城健書記長に話を伺った。(文責編集部)
三千メートルの滑走路がある下地島空港は建設当時、日本政府と琉球政府の間で「民間空港以外に使用しない」との覚書(一九七一年)があります。ところが民間空港である下地島空港を軍事利用しようという動きが出ています。
米軍再編に関連して、普天間基地の移設までの期間、下地島空港の暫定使用を米国が提案していると報道されました。米国は以前から下地島空港の軍事利用を考えていました。二〇〇一年、米国のランド研究所の報告書では、下地島空港が利用できれば台湾防衛に有利だ、と述べています。その頃から、フィリピンでの合同演習に向かうための給油を口実に、県や地元の抗議を無視して何度も下地島空港に米軍のヘリや給油機が強行着陸しています。さらに昨年末以降は、フィリピンでの台風被害の救援、スマトラ沖地震の救援を口実に五、六回強行着陸しています。軍事利用への地ならしです。
米軍再編に合わた新防衛大綱策定(昨年末に閣議決定)に向けた議論の中で、中国の脅威などが騒ぎ立てられ、先島諸島方面の重視や自衛隊配備計画も報道されています。昨年十一月、政府は国会答弁で下地島空港を軍事使用できるかのような発言を繰り返しています。
こうした状況の中で、宮古郡民全体が「下地島空港の軍事利用に反対」という意思表明することが必要ではないか、と連合宮古地協として宮古市町村会長の伊志嶺・平良市長に要請をしました。各方面の努力で、十一月二十八日、六市町村(平良市、伊良部町、城辺町、下地町、上野村、多良間村)の郡民、市町村長、各議会が一体となって、「下地島空港の軍事利用に反対する宮古郡民総決起大会」が実現しました。
一九九五年の少女暴行事件では宮古でも抗議の声をあげました。今回は、目の前の下地島空港の問題ですから切迫感がありました。沖国大へのヘリ墜落事故のインパクトは大きく、基地がくれば事故や事件が起こりかねないという不安が高まりました。沖国大には宮古地区からもたくさんの学生が行っていますから他人事ではないんです。「宮古には軍事基地はいらない」とまとまりました。
大会には二千人が結集しました。伊志嶺・実行委員長(平良市長)が「世界的な米軍再編の中で、下地島空港の軍事利用の動きがある。普天間飛行場はイラクの人々を苦しめている。下地島空港を人殺しの施設にしてはいけない」と発言。
高校生やPTA、女性、青年、労組の代表、県議も発言しました。空港がある伊良部町の大城さん(伊良部高校三年)は「爆音が鳴り響く空の下で、飛行機が墜落する危険性を考えながら生活していくのは耐えられない。私たちの島を奪わないで下さい」と訴えました。
中国の脅威などと騒ぎ立て下地島に軍事基地ができれば、国境近くに暮らすわれわれは日々危険にさらされます。軍事的緊張ではなく、外交努力をすべきです。「民間利用」という覚書は今も有効です。米軍・自衛隊問わず「軍事利用」には郡民あげて断固反対します。 (文責編集部)