国民連合とは代表世話人月刊「日本の進路」地方議員版討論の広場トップ


自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2005年1月号

代表世話人メッセージ

二〇〇五年こそ「行動の年」に

吉元 政矩


 いま沖縄では、二つのことが話題になっている。
 一つは、カート・キャンベルの発言である。「SACO」策定時の米側責任者(現在・戦略国際問題研究所上級副所長)である。「海兵隊も賛同している。…米国防省の担当者らとともにアジア太平洋における米軍展開の新概念を策定している」、「沖縄から多くの部隊を移転させることが可能」とも。沖縄タイムスのインタビュー記事(〇四年十二月十五日)を詳細に読むと、次のことがわかる。(1)一〜二年で計画を策定、(2)海兵隊の大胆な削減、(3)普天間飛行場は県外移設、である。
 もう一つは、四代目の沖縄大使の発言である。米軍関係者の犯罪率の低さを強調し、「米軍に抗議だけではなく対話を…」と言い残し離任した。沖縄には外務省の出先機関があり「沖縄大使」がいる。在沖米軍基地問題を政府に伝え、現地米軍と交渉することが役割だ。九五年九月四日、米兵による少女暴行事件が「起爆剤」となり、日米政府に対する県民の怒りが爆発した。大田昌秀知事の代理署名拒否・県民大会・県民投票と展開する。「沖縄に関する特別行動委員会」(SACO)が設置され最終報告がまとめられた。その状況下で、橋本龍太郎総理が「沖縄大使」を設置した。五代目の沖縄大使は前ミャンマー大使である。沖縄に顔を向けない小泉総理のもと、どこに顔を向けるのだろうか。もう八年にもなる。
 〇五年、沖縄のこれからである。普天間基地移設予定の辺野古沖の海上では、連日阻止行動が闘われている。基地の町・金武町伊芸区では、「都市型戦闘訓練基地」建設に区民が総力をあげ連日抗議行動を展開している。そして、宮古の「下地島パイロット訓練飛行場」の米軍基地化に反対する郡民大会があった。危険極まりない「普天間飛行場の閉鎖・返還に向けて」の二回目の市民シンポジウムで、米国政府が進めている海外基地再編・見なおしを行っている今こそ、早期全面返還を求める宣言を採択した。SACO合意から満八年目の宜野湾市民の行動宣言である。
 二期目のブッシュ政権。「四年ごとの国防戦略見直し」は、〇五年二月までに骨格が、八月には策定を終え、秋には議会に提出される。在日米軍再編は、二月にも外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2+2)を開き、米軍再編の意義を盛り込んだ「戦略合意」を発表(〇四年十二月七日・日経)、具体案については五月末の取りまとめに向け議論を加速する。
 気になることがある。日・米首脳と同様の「似たもの同士」が、担当していることである。ブッシュ政権のライス・ラムフェルドと、小泉政権の町村・大野のコンビである。すでに、中国や北朝鮮などをにらんだ共通の戦略目標や米軍、自衛隊の役割分担、兵力構成など分野ごとに「作業部会」を新設することで合意(〇四年十一月二十日・共同)している。
 文字通り「不安定な弧」への共同行動が、日米軍事同盟の再定義である。新ガイドライン・周辺事態法・有事法・国民保護法、新しい「防衛計画の大綱」と積み上げられてきた。五月の憲法調査会の最終報告・国民投票法、自民党の「憲法改正案」がこの秋である。
 二〇〇五年こそ「行動年」として確認したい。