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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2005年1月号

代表世話人メッセージ

平和憲法を守りぬく決意新たに

大槻 勲子


 明けましておめでとうございます。
 二〇〇五年は、日本国憲法を守りぬく決意にもえて新春を迎えました。憲法にとっては大変憂慮すべき年になったと思います。
 二〇〇〇年に国会で憲法調査会の活動が始まり、〇二年秋の中間報告を経て、五年後には報告書が出されるといいますが、自民党は、立憲五十年の〇五年十一月に憲法改正草案を作成し、憲法施行六十年の〇七年には憲法改正の国民投票を実施したいとのことです。
 〇三年の憲法第九条無視のイラクへの自衛隊派兵、それに先立つ対米軍事追随の有事法制関連諸立法、さらにイラク派兵の継続を国会にもはからずに臨時閣議で一年延長を決定するなど、このところの小泉内閣が示す政治の流れは、戦争のできる国への道をひた走っていると思います。国民保護法は、国民を保護できる法律ではないのです。
 自民党の憲法改正プロジェクトチーム論点整理案に重大なことが示されています。自衛のための戦力保持を明記し、集団的自衛権や海外派兵に関する規定を盛り込むべきだと、はっきり書いています。若い世代の人々に、憲法九条が改正されれば、徴兵制から海外派兵、自衛の名の下に戦争までできることになることを理解してもらわなければなりません。元沖縄県知事の大田さんのお話によれば、沖縄戦で落とされた不発弾を今も年間三〜四億円かけて処理しているが、あと六十年かかるとのことです。また遺骨もまだ五千体が収集されずにあるとのことです。日本にいま六十二カ所に原子力発電所があることを考えると、戦争状態になることはできないのです。
 さらに論点整理案では第二十四条を見直すべきであると書かれていますが、とくに女性にとって絶対反対です。それは、人権条項に公共の責務に関する規定を置くべきだとしていることです。これは、戦前において婦人を家の支え手として縛り付け、軍国の母であることを強制した家族制度の復活につながるような、憲法の全面改正の動きです。
 新しい年は、日本婦人にとって、衆議院選挙への選挙権・被選挙権を勝ち取った敗戦の年の十二月十七日から六十周年の記念の年になります。
 このところの小泉内閣の米国追随の軍事国家への道を進む政治の誤りに、歯止めをかける女性有権者の力が期待されています。
 広範な国民連合の皆さまと共に、日本国憲法前文・第九条をはじめとする平和主義を絶対に守りぬき、さらに世界の憲法にする運動を進めたいと思っています。