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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2005年1月号
代表世話人メッセージ
二〇〇四年とりわけ思ったことは、「つねに軍縮を!」ということです。日本の武器輸出が財界政界一致して緩和の方向にふみ切りました。私は、イラク派兵と同様に問題にしなければならないことだと思っています。
イラク戦争開始直前の二〇〇三年一月に私はニューヨークの女性団体を訪れ、ユダヤ系団体の幹部と面談。「私たちは戦争でものごとを解決しようとは思わない。ベトナム戦争の記憶は新しい。息子たちを戦場へ絶対に送りたくない」という力強いことばを聞いて帰ってきました。私が接するアメリカ女性は、共和党系の人もいましたが皆、イラク攻撃には反対でした。
帰国して私は、タクシー運転手さんとその経験を話し、楽観的観測を述べたところ、その運転手さんは、首を横に振って言いました。「いや、私はアメリカはやると思いますね。だって湾岸戦争からもう十年たってるでしょう。いくら外国に武器を輸出したって、この十年、作りつづけた兵器・弾薬で、アメリカの倉庫はいっぱいのはずですよ。ここらで使ってほしいって、業界の圧力もかかるんじゃないですか」と。
武器弾薬は、他の商品と違って、世界のどこかで戦争が起こらなかったら消費されません。ましてアメリカのような大産業では、自国がその一方の当事者とならないと、本格的消費にはつながらないでしょう。
結果は、運転手さんの言うとおりでした。戦争の原因は、兵器産業の圧力だけではないでしょうが、私たちは武器産業がもつ本質的な反日常性にもっと敏感になる必要があると思いました。国際情勢からみて、すべて禁止することはできなくても、基本は軍縮、必要以上に作らないことです。お米でさえ減反政策ができたのです。
日本はすでに世界有数の軍事費を使っていますが、GDP比率は今のところ一%以下が守られています。
昨年末、韓国を訪れ、日韓女性を中心に介護保険に関するシンポジウムを開催しました。少子高齢化が日本を上回る勢いですすむ韓国では、日本を一つのモデルとして介護の公的制度を導入する案が具体化しています。シンポジウムの席上、韓国側が「国際関係上、韓国は軍事費に予算を投入せざるを得ず、福祉が立ち遅れた」と率直に発言されたのが印象に残りました。軍事費の対GDP比率は、日本が〇・九九%に対して、韓国は二・八%です。北朝鮮はいったいどのくらいの比率になっているのでしょうか。
日本は、これまでとにかく社会保障をすすめ、軍事費の一%枠を守り通してきました。それが守り切れるかどうか、二〇〇五年を迎えて、ここ一年は正念場だと思っています。