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益田市議会
教育基本法の改定ではなく、その理念の実現を求める意見書
中央教育審議会(鳥居泰彦会長)は、昨年11月14日、今後の教育の目標を「新しい時代を切り開く心ゆたかでたくましい日本人の育成」におき、そのために教育基本法の「見直しを行うべきであるとの意見が大勢を占めた」とする中間報告を遠山文科相に提出した。
教育基本法は、民主的で文化的な国家を建設し、世界の文化と人類の福祉に貢献するという日本国憲法の理念に対し、前文で「この理念の実現は根本において教育のちからにまつべきものである」として教育の重要性を訴えている。このように憲法と一体のものとして制定された教育基本法は、第1条で教育の目的を「人格の完成」とし、第3条において「教育の機会均等」を定め、第10条ではそのための条件整備を教育行政に求めている。その結果、義務教育の保障、へき地教育や定通教育、障害児教育の改善などに見られるように、戦後様々な問題をかかえながらも、その理念を実現すべく努力が積み重ねられてきた。
また、教育基本法見直しと一体のものとして、義務教育費国庫負担制度の見直しも行われようとしている。これは、義務教育の保障を国の責務として規定した憲法・教育基本法の掲げる理念を否定しようとするものであり、地域の財政力の格差が教育条件の格差につながるという点では教育の機会均等の原則の否定にもつながるものである。
今求められているのは、教育基本法の目指す理念や内容が、戦後どこまで実現さえてきたのか、実現できない原因と実現のために必要な政策は何かなど、これまでの教育政策を総点検することだと考える。
よって、政府におかれては、教育基本法の改定ではなく、教育基本法の掲げる理念の実現に向けて最大限努力するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成15年3月24日 益田市議会
教育基本法の改悪に反対して意見書を採択した市区町村議会