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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2004年10月号
九月五日、愛知県岡崎市で「がんばれ!三菱労働者岡崎集会」が開催されました。
三菱自動車は総会屋との癒着、北米でのセクハラ訴訟、一連のリコール隠しで業績が急激に悪化し、名古屋の大江工場に続き、主力の岡崎工場閉鎖を軸にした大リストラ攻撃をかけ、不祥事の責任を労働者に転嫁しようとしています。
今回の提案では工場閉鎖のほか、賃金の五%カット、冬の一時金なしなど労働者の生活を破壊するもので、リストラ案提示の一カ月後には工場閉鎖計画の一年前倒しまで発表しています。一千八百人の岡崎工場の労働者に対しては一部の若年層には近隣の企業への転職を斡旋するものの、中高年者二百名には希望退職を強い、残りの労働者には岡山県の水島工場など遠隔地への配転を強要し、実質的な自主退職を迫っています。
また三菱自動車労組幹部は機関決定も経ず、会社のリストラ案に合意し、闘わないばかりか積極的に合理化に加担しようとしています。
しかし、会社の不祥事の責任をとらされる労働者の怒りは根強く、会社の説明会や組合の職場討議では経営者批判、組合幹部批判が公然と語られ、またその発言に大きな拍手や声援があがるなど、今までにない雰囲気の中での集会となっています。
「がんばれ!三菱労働者岡崎集会」はそうした三菱岡崎工場の労働者を支援し、工場閉鎖で地域経済にも大きな影響を与える三菱自動車の責任を追及しようと、地元岡崎市や近隣の豊田市、安城市などの労働組合や地区労傘下の労働者が実行委員会を組織して準備してきたものです。集会には三菱の労働者と連帯する百人余の地域の労働者が参集しました。
集会は主催者を代表したマルサン労組委員長の鈴木正幸さんの「労働組合が闘わなければ労働者の権利も生活も守れない。三菱の労働者を支える活動を通じて地域での連帯を深める契機としよう」との開会あいさつで始められました。
続いてルポライターの鎌田慧氏が全国のリストラの実態を紹介しながら三菱の問題点を指摘しました。氏は講演の中で三菱の経営責任と岡崎工場の閉鎖を厳しく糾弾した上で、労働組合が工場閉鎖反対運動に立つべきところ、三菱自動車労連・早川勝治会長が「会社再生最後のチャンスである」として会社方針を容認してしまった組合運動の現状の中で、地域・工場内部で何ができるのか、この闘いは、全国の反リストラの闘いの試金石、モデルケースになるだろうと指摘しました。さらに三菱の下請け会社や孫受け、そこの労働者への無関心さ、本工主義ともいうべきもう一つの問題にも言及しました。そして、この集会が単にガンバレだけでなく、労働者の労働条件の切り下げ、改変という資本の攻撃、さらには、この地で利益を上げながら、何も残さない“食い逃げ”するような三菱という企業を許さず、地域で何ができるか、具体的に考えるべきと問題提起をしました。
続いて壇上に立った岡崎工場で働く労働者はこの間の経過を生々しく報告しました。ここでは、今後の生活に不安を持つ労働者の質問に対して閉鎖発表以来一貫して誠意のない会社幹部や組合幹部の対応への怒りが具体的に語られ、組合が頼りにならない中での運動の厳しさと、それでも闘う労働者魂が熱く語られ、参加者は感動して聞き入っていました。
このあと、自治労全競労蒲郡競艇委員長、元三池炭鉱労組役員など参加者から三菱労働者を支援激励し、闘う労働者の連帯を希求する会場発言が相次ぎ、労働者の集会らしい活気あふれる雰囲気の中、三菱の労働者の雇用確保と三菱の責任追及を主文とした集会決議を採択して閉会となりました。 (愛知賛同人)