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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2004年9月号

原子力空母の横須賀母港化を止めよう

横須賀で3000人集会


 八月十一日、横須賀市のヴェルニー公園で、「空母母港化三十一周年、空母キティホーク横須賀母港化六周年抗議、原子力空母母港化阻止神奈川集会」が開かれた。主催は「原子力空母の横須賀母港化を止めよう神奈川実行委員会」で約三千人が参加した。
 主催者あいさつで、神奈川実行委員会共同代表の宇野峰雪氏(神奈川平和運動センター代表)は「米国は国連を無視し大量破壊兵器で世界をだましてイラクを侵略した。しかしイラクは安定せず米軍は世界的な再編を始めた。小泉政権は日本は米国のいいなりで原子力空母母港化を否定しないだろう。五月に結成した原子力空母の横須賀母港化を止めよう神奈川実行委員会と全国連絡会の最初の集会だ。今日を一歩に国民の力を合わせて母港化を阻止しよう」と呼びかけた。
 原子力空母の横須賀母港化を許さない全国連絡会事務局長の福山真劫氏(平和フォーラム事務局長)は「八月の原水禁世界大会の分科会で韓国被爆者から『日本は朝鮮や中国からどれほどの人たちを強制連行してきたのか。そして広島や長崎で被爆させたが謝罪も補償責任も果たしていない』と告発があった。いま小泉政権は米国のお先棒を担ぎイラクに自衛隊を派兵し、再び日本は加害者になっている。米軍再編は日米が安保すらこえて世界を力で押さえ込もうというのがねらいである」「しかし、イラク民衆の抵抗で米国は行き詰まり、スペインなどイラク派兵を強行した政権が敗北している」と指摘。「十月二日には原子力空母母港化阻止の全国集会を開く。全国の力を結集してたたかおう」と訴えた。
 全国基地問題ネットワーク共同代表・北海道平和フォーラム代表の小林氏は「十日後には長崎佐世保に米原子力空母が入港するが断じて許せない。配管事故を起こした美浜原発と原子力空母の原子炉は同じ構造であり、どれほど危険か一目瞭然だ。十月二日の全国集会には全国基地ネットの仲間も総結集する。全国の仲間と団結してたたかおう」と訴えた。
 沖縄平和運動センターの山城事務局長は連帯のあいさつで「世界一危険な基地の撤去をめざし、五月に三回目の普天間包囲行動を成功させた。四月十七日、辺野古で防衛施設庁が新しい基地のボーリング調査の強行を策動したが市民・県民が阻止した。以来、百十五日間座り込みで阻止している。九月には一万人集会を開き辺野古移設を断念させる取り組みを計画中だ。米国と一緒になって暴走する小泉内閣を国民の力で打ち破ろう」と呼びかけた。
 原子力空母の母港化に反対し基地のない神奈川をめざす県央共闘会議の代表が、厚木基地の現状やキャンプ座間への司令部移駐問題を報告し連帯のあいさつを行った。
 原子力空母の横須賀母港化を考える市民の会共同代表の呉東弁護士は、「市民十万以上の署名の力もあり、沢田・横須賀市長が四月中旬に外務省に行き『次の空母は原子力では困る』と要請した。また六月市議会では『原子力空母の母港化を望まない』意見書を全会一致で採択した」と報告。また「二次冷却水の配管が破裂した美浜原発の原子炉と原子力空母や原潜の構造はまったく同じだ。しかもいつ攻撃されるか分からず、常に揺れている原子炉がいつ事故を起こさないと言えるのか」と危険性を訴えた。さらに「八月二十日は米原子力空母ステニスが佐世保に寄港するが、原子力空母の地ならしがねらいだ。五年前、ステニスはサンディエゴ沖で座礁し、あわや原子炉事故寸前だった。原発も原子力空母も危ういシステムであり、こんなものと同居はできない。先月、佐世保で原潜が火災事故を起こしたが、日本側には五時間後、市民には十五時間後に発表された。もし原子炉事故が起きれば犠牲になるのは私たち市民だ。危険な原子力空母の母港化を絶対に実現させてはならない。いまバースの延長工事が進められており、次にクレーン、港の浚渫、放射能工場建設と続く。市民、県民、全国の仲間の力でひとつ一つをストップさせる大きな運動を展開しよう」と訴えた。
 「ブッシュと小泉政権の戦争政策に反対し、原子力空母の横須賀母港化阻止、在日米軍再編強化に反対し、厚木基地爆音訴訟勝利、池子米軍住宅増設反対など、全国の仲間と連帯してたたかう」趣旨の集会宣言を採択し、団結ガンバローで集会を終了した。最後に、参加者は米軍横須賀基地に向けてデモ行進を行った。


陸軍第一軍団は来るな!
米軍の基地強化反対で緊急市民行動を展開


 八月十六日、ブッシュ大統領はアジアと欧州に展開する米軍の再編計画を発表した。欧州では約五万人、韓国では一万二千五百人が削減されるが、在日米軍は中東や北朝鮮、中国に向けたアジア全域の司令塔として強化される。
 神奈川の米軍座間キャンプには、ワシントン州にある陸軍第一軍団司令部の移転が七月の日米審議官級協議でアメリカ側から提案され、在沖縄海兵隊の一部の分散移転も検討されている。座間キャンプのある座間市、相模原市の市長、市議会は「移転反対」で外務省に要請行動を行ったが、政府は「具体的な提案は何もない」と地元の意向を無視する態度をとっている。
 基地撤去をめざす県央共闘会議、神奈川平和運動センターは市民の声を上げようと「陸軍第一軍団は来るな! 八・二九キャンプ座間の基地強化に反対する緊急市民行動」を展開。集会と座間キャンプまでのデモ行進を行い、ブッシュ大統領と在日米陸軍司令官に宛てた、「第一軍団を移転させないで」の要請書を対応に出た米軍関係者に手渡した。
 緊急行動には労組や平和団体、市民など約二百人が参加。「第一軍団は来るな」「米軍は日本から出て行け」「自衛隊の海外派兵反対」「アメリカはイラクから出て行け」などと訴えた。(神奈川 越川)