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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2004年5月号
神奈川では、一月に自衛隊のイラク派兵に対する違憲訴訟を起こした箕輪登さんを招いて、県内各地での連続講演会を開催した。主催は県内の平和運動や労組の代表、学者や宗教家、議員などからなる「箕輪登氏を神奈川に迎える会」(代表・連絡先、原田章弘・横須賀市議会議員)。箕輪登元郵政大臣は八十歳だが、四月二十三日から二十五日にかけて藤沢市、横須賀市、大和市、横浜市を精力的に駆けめぐり、熱烈にイラク派兵は憲法や自衛隊法が定める専守防衛の理念に反すると訴え、聴衆を感動させた。
各地では地元の団体などが実行委員会を作り、それぞれの特色を生かした講演会を行った。藤沢市では平和の白いリボン運動を始めた浮田久子さんなどが中心となり、横須賀市では平和運動団体と地区労、労組、市議などで実行委員会を結成した。大和市では、原子力空母の母港化に反対し基地のない神奈川をめざす県央共闘会議(鈴木保代表)が主催、横浜市では「迎える会」が主催した。加藤泉・神奈川平和運動センター事務局長の進行で、大槻一太郎・横浜交通労組委員長が主催者挨拶、竹田四郎・広範な国民連合・神奈川代表が「経済から見た日本の進路」と題してミニ講演会を行った。
参加者は四会場で五百人をこえた。大和市や横浜市では主催者が用意したイスが足りなくなるほど、この問題について県民の関心の高さが示された。
箕輪氏は講演で、訴訟を起こしたいきさつと小泉内閣が進める対米従属政治の危険を強く訴え、参加者から「自民党の大臣経験者からこのような言葉を聞けるとは思わなかった。まったくその通りだと同感できるところがある」との発言も出た。箕輪氏には坪井主税・札幌学院大学教授(「自衛官と市民をつなぐ人権ホットライン代表」)も同行。耳と足の不自由な箕輪氏を補佐した。講演の概要は次の通り。
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自衛隊法では、自衛隊は国内でも県知事の要請がなければ災害などの復興支援に出動できない。イラクからは支援の要請もないし、仮にあっても専守防衛の自衛隊は国外に出ることはできない。無反動砲や装甲車などの武器を持ってイラクに行ったのは明らかに憲法違反、自衛隊法違反だ。小泉はメチャクチャなことをしている。イラク国民の要請は、自衛隊の撤退だ。自衛隊はイラクから撤退すべきだし、アメリカに対してもイラクからの撤退を言うべきだ。小泉は口を開けば「テロに屈しない」といっているが、イラクで行われているのはテロではなく抵抗運動だ。ナチスの占領下でも抵抗運動はあった。米軍や自衛隊がイラクから撤退すれば抵抗はなくなる。
明治から大東亜戦争まで、日本は十年ごとに戦争を行い、平和は長続きしなかった。一九四五年の敗戦の後、約六十年間戦争をしないで来られたのは憲法第九条があったから。第九条の精神を生かさなければならない。このままでは戦前の過ちを繰り返してしまう。自衛隊の海外派兵は憲法違反、自衛隊法違反であると、自民党の国会議員全員に訴えてきたが、誰も勉強していない。司法の判断を仰ぐしかなく、提訴した。