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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2004年4月号

シンポ「それでもなおイラク派兵を問う」
箕輪登氏らが派兵反訴える


 三月四日、日本教育会館で、シンポジウム「それでもなおイラク派兵を問う」が開催された(主催は新聞労連と同東京地連)。
シンポジウムではパネリストとして元郵政大臣の箕輪登氏、東京大学教授の小森陽一氏、漫画家の石坂哲氏の三氏が出席し、明珍美紀・新聞労連委員長がコーディネーターを務めた。
 一月二十九日、国を相手に自衛隊のイラク派遣差し止めを札幌地裁に提訴した箕輪氏の東京での発言は最初であり、関心も高く、多くの参加者が集まった。
 三氏から憲法問題、対米追随の日本の政治、テレビ報道のあり方など提起がされ、熱心な議論が行われた。
以下はパネリストの発言要旨
 ◇  ◇  ◇  ◇

【箕輪氏】
 イラク派兵は憲法にも自衛隊法にも違反する。自衛隊の出動は、武力攻撃を受けた時の防衛出動、治安出動、災害出動の三つだけ。今回のイラク派兵はどれにも該当しない。重装備によるイラク派兵は、武力行使そのものだ。警察官職務執行法でもピストル以外の武器は違反だ。
 米国の侵略占領が続くかぎりイラク国民の抵抗は続く。それはテロでなくレジスタンスである。
 人道支援は外務省の仕事であり、武装した自衛隊は必要ない。人道支援というならなぜ飢餓に苦しんでいるアフリカ諸国にしないのか。

【小森氏】
 七二年から十年間札幌にいた当時、箕輪先生は自民党のタカ派代議士で、私にとっては不倶戴天の敵でした。その方と同席していることが、小泉内閣のイラク派兵がいかにとんでもないか実証されている。
 大量破壊兵器というウソをついて窮地に立っているブッシュ政権の延命のために小泉は自衛隊員を人身御供に差し出している。憲法を無視し独走する政治は独裁政治である。
 イラクの現実をみれば軍事力では解決できないことは明白だ。
 憲法九条改悪の真のねらいは、集団的自衛権の行使を求める米国に追随するためである。日米安保で米国に追随すればテロの危険は高まる。
 様々な矛盾や不安が高まっている中で、外に「敵」を作ると「民意」は一気に動く。小泉や石原のような大衆扇動的な政治家が利用する。拉致報道はその典型であり危険だ。

【石坂氏】
 中学生の息子がいるが、自衛隊派兵を説明できない。日米関係は、漫画「ドラえもん」のジャイアン(米国)とスネオ(日本)の関係で米国に追随し、アジアから孤立している。
 恐いことだがテレビ映像にとって戦争はおいしい対象だ。今後、自衛隊員に犠牲者が出れば家族や小泉首相の涙の映像が流され、批判すれば「死者にムチ打つな」「死を無駄にするな」という世論が作られる危険を感じる。