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代表世話人メッセージ

女性の政治参加は平和構築の鍵

大槻 勲子


 明けましておめでとうございます。
 二〇〇四年の年頭に、日本が「戦争ができる国」へ転換を図り、イラク特措法にもとづく自衛隊派兵を強行する構えであることを、深く憂慮しつつの新春となりました。
 広範な国民連合の第十一回全国総会では、記念講演者としてお迎えした小池・加茂市長が「イラク全土がいまだ戦場であり、そのような地域への派兵は明らかに日本国憲法第九条に違反する」「自衛隊のイラク派兵は、国を亡ぼし、国民を不幸にする」と指摘され、「憲法第九条は国の宝として守る」との決意が表明されました。また「自衛隊員は服務の宣誓の中で、日本国憲法を順守することを宣誓しているので、憲法違反の海外派兵に参加してはならないのです」の言葉に、一同同感しました。参加者の議論の末、第一に、対米従属から脱却しアジアと共に歩む以外に道なしということ、第二に、国民連合は、生活や権利を守り、国民各層の不満や、怒りのエネルギーを結集して、この国の政治を変えるために、力をつくすことを誓った運動方針を確認し、出発しました。
 また、去る十二月十七日は、女性が始めて参政権を得て五十八年目という記念日でした。過去の日米戦争の開戦の時、女性には参政権がなかったのです。私は、女性参政権こそ、「平和を構築する鍵」であると信じています。
 いま日本は、「戦争ができる国」へと転換を図る流れが定着し、イラク現地で日本人外交官二名が犠牲になった後も、十二月九日、イラク特措法に基づく自衛隊派兵の基本計画を正式に定め「テロに屈するな」と戦闘の続く地域に派兵を強行する構えです。私たち国民連合は、憲法に違反する戦争立法を廃案とし、目前に迫った戦争への道に踏み込む、イラクへの派兵を絶対に阻止するため、全力をつくそうではありませんか。
 五十八年前、女性が始めて参政権を得、第一回の総選挙で三十九人の女性議員が誕生しましたが、以来半世紀以上経って、現在の女性議員数は三十四人、七・一%だけです。この現状は、国連の差別撤廃委員会から、「選挙で選ばれる議員や司法、外交官などハイレベルの機関において女性の参加が低いことに懸念を有する」と勧告されたことを考え合わせ、日本女性の政治参加の隘路(あいろ)を絶つことは、国民的課題だと思います。その原因の一つは、現行の選挙制度です。
 衆議院の小選挙区比例代表制が、少数政党、女性に不利なことは、昨年十一月の総選挙の結果で明らかです。有権者の意思が正しく反映される選挙制度に、変える努力をする必要があるのです。
 政治を変えるのは、選挙です。
 今年は、参議院選挙があります。私たちは有権者の一票の重さを皆で自覚することから新しい年の国民運動の一歩を踏み出しましょう。