国民連合とは代表世話人月刊「日本の進路」地方議員版討論の広場トップ


代表世話人メッセージ

アメリカ追随からの脱却を
広範な国民連合の役割は重要

槙枝 元文


 新年、明けましておめでとうございます。
 正月とはいえここ数年、明るく希望に満ちたお正月といった感じが湧いてきませんね。 医療費負担は増えるし、年金の将来は不安だし、小泉首相の口からは、危険なイラクへの自衛隊派遣のことのみが声高に叫ばれています。
 かつて六〇年安保のとき、労働者・学生、それに一般市民も加わって国会をとりまいたなかで、当時の岸信介首相が、「日本国憲法がある限り、自衛隊を日本領土の外へ派遣することはあり得ません」と国会答弁をされたことが今昔の如く思い出されます。
 憲法を蹂躙する法律も、「特措法」と名がつけば、何の抵抗もなく、圧倒的多数の賛成で可決されるといった状況をみるにつけ、怒りを通り越して、寂しさ、やるせなさを痛感する昨今です。
 いまから二年半前、自民党が、汚職、疑獄、金権政治によって多くの国民から見放されようとしていたとき、「変人」を自称する小泉純一郎氏が「自民党をぶっ潰す」「日本を変える」と大言壮語して自民党総裁選に出馬し、やじ馬を含めて国民の注目を集め、「ひょうたんからコマ」のたとえで自民党の総裁を射止め、そして首相の座を占めてきました。
 以来、構造改革、霞が関(官僚)改革とか、官僚の天下り先の特殊法人の廃止、縮小、民営化等々、お得意のパフォーマンスで国民の目を引くスローガンを掲げながらも、その具体化に至っては最大の抵抗体といわれる官僚に丸投げし、加えて自民党の族議員によって換骨奪胎され、結果は、特殊法人を独立行政法人と名を替えてそのまま存続している例にみられるように、改革の名に値するような実績は何等みられません。
 また外交面では、かつてのレーガン・中曽根の「ロン・ヤス関係」にあこがれてか、ブッシュ・小泉の友情、親密ぶりをアピールすることに躍起となり、独立国家の首相としての立場も顧みず、個人小泉として、ブッシュの機嫌を損なうまいと、イラク侵攻の最初から、いち早く支持を表明したことにみられるように、終始追随の道を突き進んでいます。
 ここに国民の意思とは無関係に、憲法をも蹂躙し、詭弁を弄しながら、イラクへの自衛隊派遣という暴挙がなされようとしているのです。
 このようなことからも国民の政治不信は一層増大しており、経済の大勢はいまなお低迷のなかにあり、一方独立国家としての主体性は喪失し、自主的外交の姿はなく、国際社会における日本の発言力は、資金援助を除いては皆無に等しいといわざるを得ません。
 それだけに、私たち自主・平和・民主の旗を掲げた広範な国民連合の果たす役割はきわめて大きく、かつ険しいものであることを互いに自覚し、広範な国民各層に訴え、組織の拡大をも含めて、今年もまた共に頑張ろうではありませんか。