│国民連合とは│代表世話人│月刊「日本の進路」│地方議員版│討論の広場│トップ│
2003年12月9日午後4時、小泉首相は自衛隊をイラクへ送る「基本計画」を閣議決定した。我々はこの歴史的暴挙に対し満腔の怒りを持って抗議する。
自衛隊を海外へ派兵することは憲法が禁じている。憲法を軽んじている政府見解に沿ってみても。戦闘地域への派兵は、逸脱している。イラク全土が戦闘地域となっており、この地域へ自衛隊を派兵すれば必ず犠牲者が出ることは先の外交官殺害の事態から見ても明らかである。戦死者を出してはいけない。
第二に、「派兵」には一片の大義名文もない。「金だけ出していれば良いという情勢ではない」といい、「日米同盟」をその根拠だと説明したが、この「同盟」は国是に反する軍事同盟であり、我が国をアメリカに従属させる諸悪の根源となっている。一方、この同盟国には世界に通じる道理がない。そもそもブッシュ大統領は「大量破壊兵器」を持つ「ならず者国家、テロ支援国家」を攻撃するんだと言ったが、「大量破壊兵器」はいまだイラク国内で見つかっていない。口実であったことはその後の事態が雄弁に物語っている。逆に、劣化ウラン弾を打ち込んだブッシュこそ最大のテロリストであり「大量破壊兵器」の保有者である。
第三に、「国益」にも反している。日本は石油に乏しい国である。イラクをはじめ中東の産油国と平和な関係を保ち、有無相通じる平等互恵の貿易によって産業を発展させることこそ「国益」に適いこそすれ、イラク民衆に銃口を向ける理由は一つもない。
第四に、「戦争に行くのではない、人道支援のために行くのだ」と強調するが、アメリカの要請に従って派遣される限り、また米軍が現地イラクでどのようなことを行い、どのような目に会っているかを見る限り、事実とは違うと言わざるを得ない。テレビで映し出される重装備の自衛隊を見ると、「戦闘」を予想していることは明らかである。もちろん我々はイラクの戦後復興は必要だと考えている。しかしそれは武力による占領政策によってではなく、自主的なイラク国民の努力に対する平和的支援であるべきだと考える。
第五に、「テロに屈してはいけない」と言うがイラクでの事態はゲリラ戦であり、占領者、侵略者を追い出すレジスタンスであると言うべきだ。イラク民衆の闘いは正義の闘争であり、自衛隊派兵は不正義の侵略行為である。
以上、国是に反し、「国益」に反し、人道にも反する自衛隊のイラク派兵「基本計画」閣議決定に抗議すると共に、決定を撤回するよう申し入れる。
2003年12月10日
内閣総理大臣 小泉純一郎殿
自主・平和・民主のための広範な国民連合・愛媛
世話人一同