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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2003年11月号
十月九日、「北東アジアに非核・平和の確立を!日朝国交正常化を求める集会」が東京で開かれ、約二千人が参加した。呼びかけ七団体、賛同八十二団体、個人などによる実行委員会主催。
実行委員会を代表して福山真劫・平和フォーラム事務局長が、「ブッシュ政権の北朝鮮敵視政策や、拉致・核開発問題で『日朝平壌宣言』にもとづく国交正常化協議が後退し、軍事的緊張が高まっている。在日外国人に対する人権侵害も深刻になっている。朝鮮半島で戦争を起こさせてはならない。北東アジアの平和と日朝国交正常化をめざして大きな運動をつくり出そう」と訴えた。
集会には、韓国から平和をつくる女性の会、参与連帯、民主労総、全教組の代表が参加。代表してイ・フェス民主労総対外協力室長が「野蛮な戦争と占領を続ける米国は国際的に孤立し、日本や韓国に派兵を求めている。団結して派兵を阻止しよう。朝鮮半島の平和のために、われわれは五十年の分断を乗りこえ民族の統一を実現したい。日本は日朝正常化を実現してほしい。日韓の労働者、市民が団結して闘おう」とあいさつを行った。
また吉田康彦・大阪経済法科大教授(北朝鮮人道支援の会代表)は「米国の北朝鮮脅威論に乗っている日本政府の態度が最大の問題だ。いまこそ『日朝平壌宣言』の原点に立ち戻り、国交正常化交渉を再開すべきだ」と訴えた。
和田春樹・東大名誉教授(日朝国交促進国民協会事務局長)は「拉致被害者を救う会や安倍晋三氏らが日朝国交正常化を否定する策動を強めている。彼らの主張は何ら問題の解決につながらないばかりか、米国の軍事行動を煽る危険なものだ。朝鮮半島の平和のためにも、拉致問題の解決のためにも政府はすみやかに国交正常化交渉を再開すべき」と訴えた。
さらに集会では朴保さんのミニコンサートなどが行われた。最後にアピールを確認し、参加者は銀座を行進した。
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東京での集会を前後して、「北東アジア平和キャンペーン」として、平和フォーラムが各地で取り組みを行った。十月八日には北海道と新潟で、十月十日には大阪と福岡で、十一日には長崎で集会などの取り組みが行われた。
三重県四日市市で十月十九日、朝鮮半島の安定と平和について考える市民参加の討論会が「ピースネット5・3実行委員会」主催で開催されました。この実行委員会は、平和・人権・教育をはじめ在日・日中・日朝の関係諸団体や個人などが参加する市民運動のゆるやかなネットワークです。
国民連合・三重では第十一回全国総会の受入れ準備と並行して、この市民討論会の成功に向けて四日市市の会員を中心に主体的に関わってきました。やはり生き生きとした闘いなくしては全国総会の成功もありません。十一月二十二日には全国の皆さんの前で詳しい報告ができることを楽しみにしております。
この討論会にはパネラーとして在日本朝鮮人総聯合会三重県本部委員長の朴喜槿(パク・ヒプン)さん、在日韓国民主統一連合東海本部代表の姜春根(カン・チュグン)さん、市民代表として三重大学クリエィティブ・ファイターズの江崎俊夫さんと解放運動に活躍されている堀てる子さんをお迎えしました。はじめに、各氏から「朝鮮半島の平和」「日朝国交正常化」の課題について語っていただき、討論が始まりました。
総聯の朴さんは「マスコミ報道には意図的なものを感じる」と万景峰号などの疑惑報道の事実をあげて指摘しました。また、立場の違いを認め合いお互いが理解することが大切であると強調されました。韓統連の姜さんは自らの生い立ちにふれながら、戦前の拉致(強制連行)と戦後の拉致を分けて考え、その両方を理解すべきである。また、国と国、それを構成する個人と個人、それぞれ人間は決して完全無欠ではない。それだけに感情的な対応では道を誤るとの指摘がありました。江崎さんは「戦争はイヤだ。殺したくないし、殺されたくもない」だから、今日のこの討論会に明るい未来を感じる。堀さんは在日朝鮮・韓国人と被差別部落出身の立場を共有しながら、生まれによる差別に立ち向かう強い思いを訴えました。
参加者からは、さまざまな意見や発言があり時間が過ぎるのが惜しまれるほどでした。拉致問題、非核課題、過剰報道の問題、戦後処理(性奴隷)など本音で語れて充実した話し合いができました。最後に、日朝間の国交正常化なくして真の問題解決はないこと。そのために、参加者一人ひとりが世論を盛り上げていく努力をしようとの発言があり、私にとっても勇気を与えてくれた討論会でした。 (広範な国民連合全国総会・三重県実行委員会事務局長 片岡)
十月八日、東京で長年にわたり日本女性と在日朝鮮女性との友好活動に取り組む「東京日朝女性の集い」と「三多摩日朝女性の集い」、そして今年八月から活動をはじめた人道支援団体「びすけっと」の協賛による講演会がおこなわれ約百名の女性たちが参加しました。
国連大学教授のヘーゼル・スミスさんによる国連世界食料計画(WFP)の朝鮮民主主義人民共和国に対する食料援助活動の現状報告は、国際関係論の研究者として事実にもとづく客観的な内容でありました。
誌面の都合で詳しくは報告できませんが、講演会の直前に「WFPからの支援食料が横流しされている」と大きく報道されたことに対しては、一九九六年からの支援でのべ四千五百万枚のWFPの袋が使われていること、二千二百万人の国民一人あたり二枚という大量の袋の枚数となり、袋の製造ができないためWFPの袋は何度も再利用されていること。またその支援食料とは国際市場では売り物にならずに、もし食料支援に使われなければ家畜に与えるか土壌に戻されるコーンや米などの余剰穀物が主であるという国際支援の具体的な実情が報告されました。
毎日のように反北朝鮮報道を目にする私たちですが、改めて隣国への食料支援の必要性を考え直すことができました。
(国民連合・東京世話人、「びすけっと」よびかけ人 中原)