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広範な国民連合 第11回全国総会

全国総会アピール


 イラク戦争は泥沼化し、ドルは暴落の可能性をはらみ、アメリカの一極支配は行きづまった。世界は多極化へ、地殻変動が進んでいる。
 世界の流れに逆行してアメリカに追随する小泉内閣は、イラク派兵で自衛隊員の生命を危険にさらそうとしている。北朝鮮を敵視し、排外主義の風潮をあおって、隣国との関係を最悪にした。さらに、憲法改悪を焦点にすえて、戦争ができる国づくりを進めている。対米従属が日本の国益を損ね、日本の平和と安全をおびやかすものであることは、誰の目にも明らかになった。
 多国籍企業に奉仕し、国民に「痛み」をおしつける小泉の「改革」政治は、国民の暮らしと営業を困難にし、自殺者は毎年三万人を超えている。年金など社会保障制度は危機的で、将来の生活は不安に満ちている。国民は政治不信をつのらせ、怒りのエネルギーは地下のマグマとなって蓄積している。保守層の中にも、対米従属の内外政治に対する危ぐや不安が広がっている。
 財界は危機感をいだき、保守二大政党制への流れを強引に進めた。その結果、総選挙で社民党などの政治勢力は弱まり、財界の策略は成功したかに見える。だが、史上二番目に低い投票率が示すように、有権者の四割はマスコミがあおる幻想にのらなかった。幻想にのせられた人々も、現実の生活が良くならなければ、怒りを倍加するだろう。
 保守二大政党制の基盤はぜい弱で、それが確立する保証はない。犠牲を強いられる国民各層に依拠して広く結集し、保守二党に対抗する第三極を形成する動きも始まっている。私たちはそうした動きを期待したい。
 犠牲を強いられる国民各層の中に悪政を打ち破る大きな力がある。私たちはそのことを確信し、労働者、農民、中小商工業者などに大胆に働きかけ、国民各層の連携を促そうではないか。
 イラク派兵を阻止し、沖縄から全土から米軍基地を撤去し、自主・平和外交でアジア共生の道を進むため、国民の生活と営業を守るために、保守層も含む広範な連携で国民世論と国民運動を盛り上げようではないか。

  二〇〇三年十一月二十三日

        自主・平和・民主のための広範な国民連合第十一回全国総会