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自主・平和・民主のための広範な国民連合
『日本の進路』地方議員版38号(2008年2月発行)
地方分権の流れの中で「国と地方自治体は、上下関係から対等・協働の関係へと見直された」と文字面にはありますが、それは口先ばかり、と、常々思い知らされます。
アメとムチの手法で、国が地方自治体を拘束するのも、彼らの常套手段です。
しかし、これほど露骨でどぎついアメとムチの手法は、かつて思い浮かびません。
そうです、国が当初の約束を破った岩国市の新庁舎建設費の補助金不交付問題です。
本来、新庁舎建設費補助金は、沖縄普天間飛行場からの空中給油機受け入れを、岩国市が表明した見返りとして約束されたものです。1997年のSACO合意によるものです。
ところが国は、在日米軍再編計画の米軍厚木基地からの59機艦載機移駐に反対している岩国市長への制裁措置として、2007年度分の補助金35億円を打ち切ったのです。
国策に従わない地方自治体には、平気で約束を破り、執拗な「兵糧攻め」で地方財政をゆさぶっているのが、今回のケースです。
米軍再編にイエスかノーかにかかわらず、憲法で保障された地方自治も民主主義も踏みにじる国の暴挙を許すのかどうかが、いま問われています。
ここで怒らなければ、地方自治体は、相変わらず国の顔色をうかがうイエスマンに甘んじることになります。
残念ながら、いざとなるとこの国は、地方自治も地方分権も、いまだ遠しです。
二井山口県知事はこうした国の対応について、「岩国市が独自にSACO関連補助事業として国に要望したものであり、県は蚊帳の外だ。コメントする立場にない」とあえて知らんふりを決め込んでいます。
これほど乱暴な国の仕打ちに、第三者を決めこむとは、いったいどこの知事だと怒りがこみ上げるととも、あきれます。もっとも、二井知事は、早くから、米軍再編計画について「現実的対応を」と、岩国市長に求めてきたのですからそのはずです。
同様の議員が多数を占める岩国市議会と対立していた井原岩国市長は、昨年末辞職しました。
いま、2月10日の出直し市長選に向けて、容認の前自民党衆議院議員を相手に、激しい闘いとなっています。
国は、選挙の結果に関係なく、再編計画を進めると強弁していますが、国策をひきうける地元市民の理解と協力なくて、進展するはずもなく、また、させてはなりません。
米軍とともに、戦争のできる国づくりのためのどこまでも突き進む再編計画にストップをかけるためにも国のデタラメにストップをかけるためにも、井原市長当選は、最初の一歩です。
それにしても、権力者は、自らの目的達成のためには、前言をひるがえしウソも平気でつく習性の持ち主だなと、再認識しています。
そこで教訓―「偽装」は、企業のみならず、国家の常套手段なり。