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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2008年7月号

超党派の日朝友好兵庫県民の会を結成

日朝友好兵庫県民の会幹事長   杉田 哲さん

 
 兵庫県内の日朝友好運動の歴史

 兵庫県内には日朝友好関係の活動がいくつもありました。その中で一番大きいのは4・24阪神教育闘争です。日本の敗戦後、在日朝鮮人の皆さんの力で各地に朝鮮学校ができました。兵庫でも1948年当時、自宅などを借りた朝鮮語の講習所は兵庫県全体で84カ所、朝鮮初等学校が55校ありました。朝鮮学校の先生が169人、生徒が6187人いました。ところが、1948年1月24日にGHQの指示による「民族学校・学級はすべて閉鎖せよ」という文部省から命令が出ました。これで兵庫県で大混乱が起きました。そのあと山口県や岡山県、大阪府にも混乱が飛び火していきました。4月24日に兵庫県庁前に朝鮮の方々1万5000人が集まって抗議集会を開いた。これに対して兵庫県知事が閉鎖命令を「撤回」するという歴史的な事件がありました。5月5日に文部大臣から「私立学校として朝鮮学校を認可する」という覚え書きが出されました。これが全国各地にある朝鮮学校の始まりです。そして今年60年を迎えたので、今年4月25日に「4・24阪神教育闘争60周年」の催しを行いました。4月27日には兵庫民族教育フォーラムを行い、「4・24阪神教育闘争記念碑」を建てようという計画を準備しています。
 2番目は、兵庫県外国人学校協議会。神戸には朝鮮学校も含めてたくさんの外国人学校があります。1995年1月17日の阪神・淡路大震災のときに外国人学校も大変な被害を受けました。私が県会議員をやっていた頃で、「外国人学校が横に手を結んで共に歩もう」と95年7月26日に兵庫県外国人学校協議会が結成されました。県との話し合いが行われて、日本の私学と同じように被害を受けた外国人学校に県から補助が出ることになりました。
 また、1983年に発足した「兵庫県朝鮮関係研究会」、1991年にスタートした「朝鮮人強制連行真相調査団」、「神戸港における戦時下の朝鮮人・中国人強制連行を調査する会」、「対話で平和を!日朝関係を考える神戸ネットワーク」、「兵庫県朝鮮人国際人権センター」など様々な日朝友好団体があります。

県民運動のうねりをめざして

 それら県内の日朝友好団体が横につながりをつくって、大きなうねりをつくろうと、「日朝友好兵庫県民の会」を5月17日に発足しました。「日本と朝鮮民主主義人民共和国との友好促進と早期の国交正常化のために、諸分野の民間交流を幅広く推進し、多文化共生をめざし、県下の日本人と在日朝鮮人の友好親善を深めることを目的とする」という設立主旨です。
 結成には100人以上の方々が参加しました。記念講演で、北川広和・「日韓分析」編集人は、「県民の会の結成は県内の日朝友好運動の転換点になる」と話されました。
 代表委員には、貞松融氏(貞松・浜田バレエ団団長)、麻田光広氏(弁護士)、家正治氏(姫路獨協大学名誉教授)、橋元治氏(元神戸新聞社)ら。活動の推進役である常任委員は、演劇家、市民団体の代表、朝鮮学校を支える会などの方々。顧問には、国会議員や部落解放同盟、自治労や教組などの労働組合。それから日朝議連の方々は相談役に入っていただいています。
 これまで県内でやってきた日朝友好運動を一つにまとめて、日朝友好・国交正常化をめざす大きなうねりをつくるうえで、主軸になる組織ができました。