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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2008年7月号
「日朝国交正常化をめざす全国交流会」が6月11日、東京で開催された。交流会には日朝友好運動に取り組む団体・個人が全国18都道府県から約80人参加(次頁写真)。
第1部では、中村元気・日本朝鮮学術教育交流協会会長が開会あいさつをおこなった。以下、要旨。
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開会あいさつ 中村元気さん
呼びかけ人の一人で福岡から参りました。日朝国交正常化に向けた何らかの動きをつくりたいということで有志が集まり、2月7日を第一回に4回ほど懇談会を重ねて、本日の全国交流会の実現に至りました。
いま日朝をめぐる状況は大きく変わりつつあるし、変わろうとしています。また日朝運動を支える組織も、全国各地でいろいろな名称で行われてきました。今年に入って、秋田、兵庫、福岡で新たな日朝友好の組織が発足しました。また国会の中では、5月22日に、全政党が参加して、超党派の日朝国交正常化推進議員連盟が発足する動きも出ています。日朝運動の運動は新たな段階に入ってきたのではないかと思います。
いろんな考え方、政治的な立場などもあると思いますが、「日朝国交正常化をめざす」の一点で集まり、全国のいろんな運動をされている方々が経験を交流しようではないかと呼びかけをしまして、こんなに多くの方々に集まっていただきました。これまでの経験を話し合っていただき、日朝国交正常化を一日も早く実現するための運動を全国各地でやっていこうではありませんか。
のちほど福岡県から報告があると思いますが、5月25日、福岡県日朝友好協会を発足しました。これは超党派で「日朝国交正常化をめざす」という考え方で一致した方々で発足しました。私もその会の副代表をしております。この動きを九州全体にも広げていきたいと考えています。
できれば年内にこの全国の交流会に集まっていただいて、いろんな経験を出し合い、「日朝国交正常化をめざす」運動を進めていきたいと考えております。まだ運動が始まったばかりですので方向性が定まっていませんが、これを契機に「日朝国交正常化をめざす」という一点で全国各地でいろんな運動が広がっていくことを願っています。本日は運動の交流会であり、いわば運動の推進会ですから、最後までご協力をいただければと思います。
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続いて、李鍾元・立教大学教授が「6者協議の展望と日朝関係の課題」と題する講演をおこなった。
次に李泰栄・在日朝鮮人総聯合会国際統一局副局長があいさつした。李氏は、日朝政府間交渉が行われている時に制裁延長に賛成する国会の状況を批判し、制裁ではなく対話を求める世論を盛り上げる上で、この交流会へ期待を述べた。
続いて、5氏から「運動の報告と問題提起」が行われた。
伊藤晃二・朝鮮の自主的平和統一を支持する長野県民会議代表委員は、30年間に取り組まれた約400人に及ぶ訪朝交流、国交正常化をめざす活動、災害支援、在日朝鮮人の権利擁護など幅広い活動を紹介。また今後は早期の日朝国交正常化をめざし、幅広い県民が参加できる組織作りの計画などを語った。
杉田哲・日朝友好兵庫県民の会幹事長は、阪神教育闘争や朝鮮人強制連行真相調査など県内で活動する日朝友好団体が横につながり、5月17日に「日朝友好兵庫県民の会」を結成した経過を紹介。超党派の政党、学者や労組、部落解放同盟など幅広い運動がスタートしたことが報告された。
上村和男・福岡県日朝友好協会事務局長は、今年5月に結成された「福岡県日朝友好協会」の経過を報告した(詳細は本誌前号)。とくに日朝国交正常化の一点で幅広い県民運動を展開すること、両国間にある諸課題は正常化交渉と平行、もしくは出口で解決することなどを確認しながら進めてきた経験を報告した。
筒井由紀子・KOREAこどもキャンペーン事務局長は、日朝韓の子どもたちの絵画交流など進めてきたことを報告。こうした交流が国家間の動向に振り回されてきたことを指摘し、日本政府の経済制裁など朝鮮敵視政策を批判した。
清水澄子・朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会代表は、日本の平和運動に朝鮮の植民地支配の観点が欠けていることの反省から1974年に結成した同連絡会の様々な取り組みを紹介。今年に入っても経済制裁を撤回し、対話による政策転換を求める取り組みなど、国交正常化をめざす活動を強化していることを強調した。
5氏の報告と問題提起を受けて、参加者から報告や意見が出された。「情勢も大きく変化してきている」「日朝国交正常化の一点で幅広い運動をすることが大事だと実感した」「元気をもらった。自分の県でも大胆に呼びかけてみたい」など積極的な発言が相次いだ。
最後に喜多英之・朝鮮の自主的平和統一を支持する長野県民会議運営委員が「座長まとめ」を行った。
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座長まとめ 喜多英之さん
今日は12名の方に発言していただきました。座長不慣れで発言希望者全員には発言していただくことができませんでした。懇親会で発言して下さるようお願いします。
情勢の特徴は、米朝会議が進展し、第1段階から第2段階に進展しています。日朝関係は相変わらず拉致問題中心に制裁措置が続いています。そういう中でも超党派の国会議員連盟の動き等があります。日朝国交正常化を全体的に前に押し出して運動できる情勢であることが確認できると思います。
2002年の平壌宣言で拉致問題が発覚し、私も大変衝撃を受けました。その後は国民意識が拉致問題一本になってしまい、私たちの運動も率直に申しまして萎縮、後退、停滞しました。しかし、今の状況をみると、国交正常化を前面に出して国民的な幅広い運動を展開する情勢に来ていると思います。もちろん依然として拉致問題だけにとらわれている世論があります。しかし、私たちが自信をもって積極的に国民運動、あるいは各地での県民運動を進めれば、必ずその世論を変えていくことができるという確信を、今日様々な運動報告を聞いて感じています。
そういう意味で今日は、国交正常化を求める全国交流会という表題通りです。袋にもありますが、「国交正常化の一点で、全国各地で幅広い人たちが参加する超党派の運動を進めていこう」という点は確認できると思います。いろんな政治的な立場や、思想・信条に違いはあっても、その一点で運動の幅を広げ、前面に出ていくということを今日の交流会では確認したい。
当面、焦点となるのは10月13日の第4回目の制裁延長がどうなるかだと思います。制裁解除を求める世論をどう高めていくかという点で、議会の意見書採択や署名をやったらどうかなど意見が出されました。当面はこの問題に焦点をあてて、国交正常化運動を幅広く進めていく点を今日の交流会の確認にさせていただければありがたいと思います。
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交流会後に第2部として、懇親会が行われた。懇親会には、参議院本会議のため遅れて駆けつけた参議院議員の川上義博・日朝国交正常化推進議員連盟事務局長があいさつした。また中野区議の江口済三郎・日朝友好促進東京都区議会議員連絡会代表など、各地から参加した方々が国交正常化に向けた熱い熱意を語り、交流した。