食料安全保障一覧

食料安全保障の確立へ

農業基本法改正の現在地

東京大学大学院教授 鈴木 宣弘

 

 

やっと「食料自給率向上」が追加されたが

 基本法の見直しを今やるということは、世界的な食料需給情勢の悪化を踏まえ、「市場原理主義」の限界を認識し、肥料、飼料、燃料などの暴騰にもかかわらず農産物の販売価格は上がらず、農家は赤字にあえぎ、廃業が激増している中で、不測の事態にも国民の命を守れるように国内生産への支援を早急に強化し、食料自給率を高める抜本的な政策を打ち出すためだ、と考えた。
 しかし、新基本法の原案には食料自給率という言葉がなく、「基本計画」の項目で「指標の1つ」と位置づけを後退させ、食料自給率向上の抜本的な対策の強化などには言及されていない。自民党からの要請を受けて、やっと「食料自給率向上」という文言を加えるという修正は行われることになったが、そのための抜本的な政策について何も言及されていないのはそのままだ。

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食料安全保障推進は喫緊の課題 鈴木 宣弘

日本の食料・農業危機の深層と日本社会崩壊の足音

東京大学大学院教授 鈴木 宣弘

 ロシアがウクライナの穀物積み出し港の攻撃を7月に再開し、インドは世界の輸出の4割を占めるコメの輸出の多くを7月から停止した。紛争に備えて中国は人口14億人が1年半食べられるだけの穀物を備蓄するために買い占めているという(一方、日本の穀物備蓄能力は1・5~2カ月だ。この点でもまったく危機への備えに雲泥の差がある)。さらに、イスラエル・パレスチナ紛争も勃発した。国際情勢はさらに悪化している。

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食料安全保障推進は喫緊の課題 渡部 務

日本に農業は無用か

山形県・農民 置賜自給圏推進機構代表理事 渡部 務

 

 

 

異常気象と資材依存

 猛暑どころか酷暑をくぐり抜け、なんとか米収穫を終わることができた。山形県の作況指数は101の平年並みとのことだが、予想された品質低下は現実となって表れた。
 水不足に見舞われた他県ほどではないが、1等米比率が昨年を32%下回る63%となっている(当農協9月末)。その原因は梅雨期間の曇天続き、梅雨明けからの猛暑、そして登熟期の降雨と暑さ、そのため腹白米、芯白米被害が発生し、米粒の充実不足も重なった結果である。その結果、米価は昨年より1000円(60キロ当たり)上がったものの、2等米は600円、3等米は1600円の価格差となり、値上げ分が吹っ飛んだ。

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食料・農業危機打開、食料安全保障確立の政策提案

地域に食料安全保障推進議員連盟をつくり政府を動かす

東京大学大学院教授 鈴木 宣弘

 

 

 

 

広範な国民連合第25回全国総会(昨年11月20日)で鈴木宣弘東京大学教授は、食料・農業危機打開、食料安全保障確立の政策を提起され、地域に食料安全保障推進議員連盟をつくり、政府を動かす運動を提唱された。統一地方選への重要な問題提起である。(見出しとも文責編集部)

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酪農・畜産・コメ・農業危機突破、食料安全保障推進

百姓一揆の気概で
農業危機突破・食料安全保障の確立に向け運動を

北海道農民連盟委員長 大久保 明義

 

 

 

 

ウクライナ侵攻や円安などで燃油・飼料・肥料など生産資材は高騰、農業はかつてない危機に直面している。最大の食料生産地である北海道で、果敢に闘い続けている北海道農民連盟の大久保明義委員長に、北海道農業の現状と課題、農業危機突破・食料自給率向上、 食料安全保障確立などについてお話を伺った。(見出しも含めて文責編集部)

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