酪農危機、農業・食料の危機打開を一覧

酪農危機、農業・食料の危機打開を 永井 照久

危機打開を求める切実な声
大半の酪農場の経営が立ち行かなくなることは必至

釧路農協連(酪農技術支援室) 永井 照久

 

 酪農現場からの悲痛な声は強まるばかりです。
 これまでに幾度も厳しい情勢を乗り越えてきた酪農産業ではありますが、現在おかれている状況はかつてないレベルで生産現場を苦境へと追いやって、生産者の不安感を増幅させています。こうした状況が続くと、大半の酪農場の経営が立ち行かなくなることは必至です。それは単に生乳生産基盤を揺るがすばかりでなく、地域社会の崩壊などその影響は多岐にわたります。日本全体の活力に悪影響を及ぼすことが強く懸念されます。

続きを読む


酪農危機、農業・食料の危機打開を 9月18日、釧路市

大半の酪農家が廃業してもおかしくない

9月18日、釧路市で約1000人が決起大会

写真提供:JA釧路太田

 

 酪農経営を守ろうと、北海道釧路・根室管内の農協や生産者約1000人が9月18日、釧路市で決起大会を開いた。
 冒頭あいさつした釧路酪対の徳田善一会長は「釧路・根室地区だけでなく、全道・全国の酪農経営が過去に経験したことのない危機的状況に陥っている」と述べ、国に対して緊急かつ強力なテコ入れ策を講じるよう求めた。

続きを読む


酪農危機、農業・食料の危機打開を 鈴木 宣弘

これ以上放置できない農村現場の苦境

東京大学大学院教授 鈴木 宣弘

 

 

最悪の事態が起こる

 一昨年に比べて肥料2倍、飼料2倍、燃料3割高、と言われるコスト高でも、十分に価格転嫁ができない農畜産物。政策も動き始めたが、酪農については「追い討ち」的な乳雄子牛価格の暴落などで現場の苦境は深刻化している。
 そうした中、ついに、酪農家さんの自殺という最悪の事態に接し、無念と無力感にさいなまれる。政府の緊急補塡、乳製品による人道支援、急いでほしい。皆一丸となって国産乳製品を買おう。酪農家さん、踏ん張ってください。

続きを読む