日中国交正常化50周年一覧

日中国交正常化50周年記念シンポジウム

日本の進むべき道を議論 台湾有事を回避せよ

 

 

 

日中国交正常化50周年記念シンポジウムが2022年12月23日、参議院議員会館でZoom併用で開催された。主催は同シンポジウム実行委員会で、東アジアの平和と発展を実現するために日本が進むべき方向について、活発な議論が行われた。

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日中国交正常化50周年に思う

国益を貫いた田中総理の英断

小長 啓一氏(元田中角栄総理秘書官)に聞く
(聞き手、本誌編集長・山本正治)

 

 

 

 こなが・けいいち 1930年生まれ。53年通商産業省(現経済産業省)入省、84年通産事務次官。アラビア石油(現富士石油)社長などを経て、現在、弁護士。田中角栄が通産相、首相の時に秘書官を務めた。

 

 日中国交正常化50周年に際して本誌(10月号)は、「この道をさらに前へ」との主張を掲げた。その中で当時の田中角栄総理の決断を、「歴史的な決断であり、かつ、50年を経過して激変の今日の国際社会でも、わが国の正しい進路の指針となる英断であった」と評価した。だが、50年前の状況を知る人は少ない。本誌は、通産大臣から総理大臣となった田中角栄氏の通産大臣時代から秘書官を務められた小長啓一氏に当時の状況と感慨を伺った。インタビューはくしくも9月29日となった。
 誌面の都合で割愛するが、日中関係だけでなく、第1次石油ショック時の総理大臣として展開された「資源外交」など興味深い話もお伺いすることができた。米英の石油メジャーが支配する中東依存ではなく、旧ソ連やメキシコなど中南米にも資源外交の足を延ばしたことなど、50年前のことではなく、今のこととして伺った。日本の政治家は、「自主的な日本」を目指す気概を受け継ぐ必要があると感じた。(山本正治)

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日中国交正常化50周年  東アジアの平和と共生を

中国封じ込めでなく、共同発展を

神奈川大学教授、青山学院大学名誉教授 羽場 久美子

 

 

 

 

本稿は、羽場久美子先生の「日中国交正常化50周年記念、東アジアの平和と共生を求める」講演会(5月29日、横浜)での講演の一部。ウクライナ戦争をどう見るかなど豊富な論点が述べられたが、先生がこれまですでに本誌で触れられている点については割愛した。見出しともに文責編集部。

 

 日中国交正常化50周年でありながら、今、日中両国が大変な緊張関係にあります。その背景にアメリカの東アジア戦略が大きく関わっています。バイデン大統領はなぜ日中の協力関係にくさびを打ち込むのでしょうか。QuadやAUKUSというアメリカの軍事同盟が着々と東アジアにつくられている今、いかに東アジアの平和と共生をつくっていくべきか、を考えていきたいと思います。

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日中国交正常化50周年 瀬野 清水

日中は第5の政治文書を

 

(一社)日中協会理事長 瀬野 清水

 

 日中国交正常化から50周年の佳節を迎える。この間、日中両国で合意をみた条約や声明などは4回発表されており、これらは「4つの政治文書」と称されている。両国が常に立ち返るべき原点だ。改めてこれら4つの政治文書を読んでみると、共通した内容の文言があることに気づく。日中不再戦の誓いである。表現の違いこそあれ、いずれの文書にも日中両国は「すべての紛争を平和的手段により解決し、武力又は武力による威嚇に訴えないこと」を確認している。

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日中国交正常化50周年 泉川 友樹

琉球の「万国津梁」の精神で日中関係の改善を

 

沖縄大学地域研究所特別研究員 泉川 友樹

 

 

1979年、沖縄県生まれ。沖縄国際大学卒、放送大学大学院修士課程修了。2003年、北京外国語大学に留学。06年から日中経済交流促進団体に勤務、20年から沖縄大学地域研究所特別研究員。

 

 2022年は日本、中国、沖縄にとって極めて重要な意義を持っている。一つは沖縄の「復帰」50周年、もう一つは日中国交正常化50周年だ。

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日中国交正常化50周年

日本には日本らしい中国とのつきあい方がある

 

元早稲田大学総長 西原 春夫

 

 今年は日中国交回復50周年という節目の年に当たる。本来なら、紆余曲折を経ながらそれなりに友好関係を結んでこられた日中関係を祝賀し、今後さらにこの関係を発展させるよう両国で盛大な諸行事を開催すべきところだろう。しかしここ数年、中国に対する国際社会の対応は今までになく厳しくなったので、日本も日中関係だけを考えた対応ができないようになってしまった。まして50年前両国首脳が日中共同声明を出した9月29日という日に中国が国際社会の中でどのような位置づけになっているかさえ見当がつかない。これが与えられた現実である。

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