『日本の進路』編集部一覧

主張 ■ 岸田首相は米国に何をしに行くのか

アジアの共生で持続可能な日本へ

『日本の進路』編集部

 

 岸田首相は4月に訪米する。何をしに行くのか。
 国内にやらなければならない課題は山積だ。能登半島地震から3カ月、地域主体の復旧・復興が急がれる。首都圏直下型や南海トラフなどの大地震・大津波に備えて超過密都市の住民の命と暮らしを守る対策は喫緊の課題だ。気候危機も人口減少対策も待ったなし。
 その前に自民党の裏金問題はますます疑惑が深まり、そもそも自民党は和歌山での問題などを見ると文字通り末期だ。
 最も肝心な国民の深刻な生活危機への対策はきわめて不十分。何よりも国民大多数の切実な願いに応えるべきだ。
 もちろん外交は重要だ。緊張高まる世界で、平和と発展の進路は最大の課題だ。
 必要なのは自主外交だ。いま行くべきは宗主国ヅラの米国ではない。近隣諸国、東アジアとの関係強化こそ重要だ。
 何よりも中国との関係打開である。日中関係の冷え込みに、ましてや中国脅威・台湾有事を煽る政府与党やマスコミに多くの国民は不安を抱いている。

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主張 ■ 能登地震の警告を受け止める

「国のカタチ」を根本から変え「持続可能で自主の日本」へ

『日本の進路』編集部

 

 能登半島地震から2カ月、東日本大震災3・11から13年。二つの震災は原発問題も含めて、現代日本の深刻な課題を暴き出した。
 「復旧・復興」は緊急の課題だ。だが、「復興」には二つの考え方がある。政府やマスコミなどでは、「あんな所に財政をつぎ込んでも無駄だ」と「効率」「集住」との主張が中心だ。
 しかし、多くの被災者が「ここを離れたらいつ戻ってこられるか分からない」と2次避難についても拒否し、先祖伝来の地域の持続・復興を望む。
 地方切り捨て・「一極集中型」の日本は、確かに「効率」は良かった。だが大都市集中はいま矛盾を噴出させている。食料もなく、エネルギーは化石燃料輸入依存と原発で持続不可能。地方は衰退。人口減少が急テンポで進む。集中と効率化の日本は限界だ。
 地域の復興は地域が決める、自己決定の復興が必要だ。能登の復興、地方・農林漁業と地域の再生で「持続可能な日本」をめざそう。

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主張 ■ 北から南へ 世界の構造は変わった

米国の巻き返し「地域戦争」策動に最大の警戒を

『日本の進路』編集部

 

 1月1日、BRICSはサウジアラビア、イランなど5カ国を新メンバーに迎え10カ国となった。他方、米国に支えられたイスラエルのジェノサイド攻撃に対するパレスチナやイエメンなど中東・アラブ人民の闘争は発展する。
 新年早々、世界構造が激変したことが印象づけられた。もはや米国を頂点とする「先進」資本主義大国・帝国主義が支配する世界は過去のものである。

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臨時国会は重要課題に応えるか?

沖縄の、福島の、国民の声を聞け!
11・23沖縄県民大集会の成功へ!全国で声を上げよう!

『日本の進路』編集部

 

 臨時国会が始まっている。経済対策補正予算案が中心といわれるが、残念ながら深刻な状況にある国民の声は届いていない。
 「身ぐるみひとつで牛も馬も畑も家も墓も海も捨てて島から追い出されることを絶対に認めない」、住民はこう吐露した。「有事」に全島民を1日で島外避難させるという与那国町での説明会(10月9日)でのことだ。与那国島は台湾から110㎞。

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日中平和友好条約45周年

確認された原則を踏まえ、もっと前へ!アジアの共生へ!

『日本の進路』編集部

 

 10月23日、日中平和友好条約発効から45周年を迎える。「国交正常化共同声明での原則」や「平和5原則」などにのっとった両国関係を再確認し、もっと前へ進まなくてはならない。
 1931年9月18日に満州事変・中国侵略戦争を本格化させて47年、日本敗戦から33年、ようやくわが国は中国と条約で正常化を実現した。日本は日米安保体制下だったが中国と協力関係を強化する道に進んだ。

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米日韓首脳会談、「3国同盟」は破滅の道

日中韓・東アジア協力で平和繁栄へ

『日本の進路』編集部

 

 岸田文雄首相、バイデン大統領、尹(ユン)錫(ソン)悦(ニョル)大統領による日米韓3国首脳会談が、米ワシントン近郊の大統領山荘キャンプデービッドで開かれ、安全保障協力強化で合意したという。日米の個別会談では、極超音速兵器に対処する新型迎撃ミサイルの共同開発も確認した。軍事的な3国同盟関係を事実上確認したといってよい。

 衰退著しく内外に困難を抱えるアメリカが日本や韓国の協力を必要としたことは間違いない。時代錯誤の大国化願望の岸田首相は、麻生太郎自民党副総裁に言わせたように「戦う覚悟」を示した。

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玉城沖縄県知事訪中

多面的な交流へ確かな手応え
新時代の日中関係 アジアの持続的な平和と繁栄めざす

 

『日本の進路』編集部

 日中平和友好条約45周年の夏、展望ある新たな動きが始まった。玉城デニー沖縄県知事が中国を訪問、中国側は歓迎し李強首相など政府要人らと会談した。一連の交流で玉城知事は、「日中友好関係の強化、さらにはアジアの持続的な平和と繁栄に貢献したい」と強調し、また、運休していた直行便の再開・拡大、訪中時のビザ取得緩和などを要望した。7日、沖縄に戻った知事は、「沖縄と中国の多面的な交流の活性化に向けて確かな手応えを感じた」と成果を確認した。新時代の日中関係へ、沖縄は突破口を切り開いた。沖縄が交流を継続・強化し、全国も続いて、この道を確かなものとしたい。

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日中平和友好条約45周年 歴史の反省を忘れない

この道を堅持し緊張緩和・平和と発展へ

『日本の進路』編集部

 

 沖縄県は6月23日「慰霊の日」を迎え、8月15日には日本敗戦から78年を迎える。一方、8月12日は日中平和友好条約45周年の記念すべき日だ。
 岸田政権は通常国会で軍事費増を担保する特別措置法を成立させた。中国を事実上の「敵国」扱いし、歴代自民党政権が曲がりなりにも堅持してきた「専守防衛」の原則を投げ捨て、軍事大国への道を公然と進み始めた。
 こうした岸田政権に反対し、平和国家として近隣諸国地域との対話と交流強化をめざす動きも進んだ。とくに沖縄県の㆒連の動きは象徴的で、県の「地域外交」が始動し、間もなく玉城デニー知事も訪中する。平和をめざす県民運動では若者を先頭に新しい動きも進む。
 6月24日にはシンポジウム「沖縄を平和のハブとする東アジア対話交流」も成功した。
 こうした新しい流れを促進し全国に広げ、自主・平和の外交で東アジアの平和と安定、繁栄につなげる時だ。日中平和友好条約45周年をその時にしようではないか。

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G7サミット 世界の安定を促したか?

日本は自主的独自外交で
東アジアの平和と発展をめざすべき

『日本の進路』編集部

 

 岸田首相は、バイデン米大統領はじめ7カ国首脳とウクライナのゼレンスキー大統領などの参加も得て5月19日からG7サミットを開催し、「力による現状変更」を許さず、「法の支配」に基づく国際秩序の再構築なるものをめざした。マスコミも連日大きく報道し、政権支持率がマスコミ調査で9ポイントもアップするなど、岸田首相は「歴史的なサミット」と、世界を主導したとの高揚感に浸っている。
 だが、ウクライナ問題でも、中国敵視の「包囲網」形成でも、世界の分断と対立を煽って世界をいちだんと不安定化させただけだ。核廃絶も、アメリカは広島・長崎での使用をいまだに正当化している。「力による現状変更」も一昨年米軍が逃げ出したアフガニスタンや、その前のイラク等々、戦後何十回、何百回と世界に軍隊を派遣し「力による現状変更」を強行した国だ。

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外交で東アジアの平和と安定めざす

3月、沖縄県民の注目すべき前進

『日本の進路』編集部

 

 台湾有事が叫ばれ大軍拡予算が成立、政府では抑止力という軍事力強化だけが目立つ。こうした中で沖縄は3月、県議会の意見書採択など、東アジアの平和と安定をめざして外交で事態を打開しようとする画期的前進が見られた。玉城デニー知事が中国を訪問する計画も言われる。2月26日には「沖縄を平和発信の場に」と全国に共同の努力を呼びかける緊急集会も開かれていた。県民、県知事、県議会が一体となって動き始めた。

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「専守防衛」と「全方位・アジア重視外交」の原則を変えてはいけない

中国敵視の「安保戦略」閣議決定を撤回せよ

 

『日本の進路』編集部

 

 岸田政権は12月16日、外交・防衛政策の基本方針という「国家安全保障戦略」など安保関連3文書を閣議決定した。「敵」基地攻撃など、わが国政府の外交・防衛政策の歴史的大転換である。明らかに憲法違反で、しかも先制攻撃で国際法違反になりかねない。こうした重大な決定が国会を完全に無視して強行された。

 敵基地攻撃の「抑止力」強化で、平和を確保することはできない。アメリカの対中国包囲網、戦争政策の最前線に立たされ、不測の軍事衝突がいつでも起こり得る。際限なき軍拡競争となり、アメリカから大量の武器を購入し、国民は軍事費負担に耐えられない。新たな「戦前」を引き寄せてはならない。

 中国敵視の安保関連3文書閣議決定の撤回を強く求める。

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国民の命の危機と戦争の危機と

軍事費倍増ではなく、国民生活こそ防衛せよ

『日本の進路』編集部

中村進一 ( 三重県議会議員)

 10月から食料品価格が軒並み上がり、電気料金も前年同月比26%(東京電力)のアップだ。長く続くコロナ感染症もあって、仕事を失ったり、収入が大幅に減ったりの多くの国民にとって極めて深刻な事態だ。
 ところが、「防衛力の強化が最優先課題」とする岸田政権は、軍事(防衛)費を2023年度からの5年間で総額45兆円程度とする。倍増の大軍拡だ。武器を売り込む米国は大喜びだろう。だが、財政赤字を理由に毎年社会保障費は削減され年金も削られ、この10月からは後期高齢者医療費窓口負担が2割となった。国民の生命を削っての大軍拡を許してはならない。
 中国を「敵」にして軍拡を正当化する「国家安全保障戦略」改定と軍拡予算に反対し、「国民生活こそ防衛せよ」の声を上げよう!

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日中国交正常化50周年 ■ この道をさらに前へ

台湾問題で米国に追随してはならない
自主外交で東アジアの平和を

 

『日本の進路』編集部

 9月29日、日中両国は、国交正常化50周年の記念すべき日を迎えた。50年前のこの日、秋天の北京で、田中角栄首相と中国の周恩来総理、両国政府は、「国交関係を樹立すること」を決めた。これはまさに歴史的な決断であり、かつ、50年を経過して激変の今日の国際社会でも、わが国の正しい進路の指針となる英断であった。
 この道をさらに前へと進むことだけが、地域の平和を保障し、両国と世界の発展を導く。
 老大国アメリカは50年前と比しても衰退著しい。興隆する中国を抑え込み、ドルに象徴される特権を維持し、覇権国として世界に君臨し続けようと無謀な画策を強めている。ウクライナの人びとを犠牲にしてロシアと戦争させ、軍需産業・戦争会社・金融資本だけが大儲けするようなアメリカに、東アジアを蹂躙させてはならない。アメリカは「台湾独立」を煽り、「明日のウクライナ」を東アジアに画策している。日米同盟強化、「統合抑止」という日米軍事一体化は亡国の道だ。

 50年前もアメリカは、自国の都合だけで、二つの「ニクソン・ショック」を進めた。田中首相の英断は、それに対抗してわが国の真の国益を追求したことだ。
 戦争のにおいも強まる今日、50年前以上に、日本の運命は日本自身で決めなくてはならない。自主外交で、平和と繁栄の東アジア実現に進路をとるときである。

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「軍拡」が最重要課題の第2次岸田改造内閣発足

アジアの平和と国民の命・暮らしを守る国民運動を

『日本の進路』編集部

 第2次岸田改造内閣が8月10日、発足した。首相は記者会見で、「防衛力の抜本的強化が最重要課題」と述べた。
 感染症の爆発的蔓延、急激な物価高、低迷する経済。命と暮らし、経済を守ることが最重要課題だ。防衛力強化では平和は守れない。近隣国を「敵」にしない外交も喫緊の課題。
 新内閣も、「旧統一教会」との関係が次々露呈。ましてや、「安倍路線の継承」はあってはならない。
 「アジアの平和と国民の命を守る」国民的闘いが急がれる。

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