2021年 年頭のごあいさつ

新年あけましておめでとうございます

自主・平和・民主のための広範な国民連合 代表世話人一同

 新しい年を迎えました。コロナ禍の厳しい状況の下で、命を守り平和と生活向上を求め闘い続けておられる全国の皆さま、とりわけ玉城デニー知事を先頭とする沖縄の皆さまに連帯と感謝のごあいさつを申し上げます。 続きを読む


戦争の危険含む歴史的転換期の世界

コロナ禍でのバイデン新政権発足

日本の自主・平和の進路選択は切迫した課題

『日本の進路』編集長 山本 正治

 コロナ禍の中で新年を迎えた。歴史的転換期に 備えを急がなくてはならない。
 全世界の感染者は、新年には8000万人を突破、死者も160万人を超す。なかでもアメリカは最悪である。
 リーマン・ショック以来危機を深めていた世界経済はこの衝撃で失墜、今日、第2次世界大戦の時期以上の危機といわれる。失業と貧困、飢餓が全世界を襲っている。
 アメリカは、トランプ政権からバイデン新政権に代わる。しかし、大統領選で露呈した国内疲弊、貧困と格差、分断と対立は激しい。戦後世界の覇権国アメリカは完全に行き詰まっている。 続きを読む


ヨーロッパの統合もアジアの分断も、アメリカの世界戦略

アジアの共同をいかにつくるか?

青山学院大学教授 羽場 久美子

「ツキジデスの罠」

 「権力が入れかわるとき、戦争が始まる」――ハーバード大学教授、グレアム・アリソンは、紀元前431年に始まったペロポネソス戦争以降2000年の体制転換を分析しつつ、『米中戦争前夜』でこう述べている(1)。2020年の新型コロナウイルスの蔓延はさらにそれを推し進めているように見える。20年8月初めまでの6カ月で500万人の感染、16万人の死者を出し、さらに感染を拡大させているアメリカは、経済のみならずコロナ対策においてもリーダーとしての正統性を失いつつある。同盟国欧州や日本でさえアメリカ・トランプ政権の経済的・政治的衰退と同盟国批判に戸惑いを見せている。 続きを読む


[「東アジア不戦」の提唱]福田康夫さんに聞く

「東アジア不戦」の提言(西原春夫代表)を絶対成功させたい

日米同盟で中国を敵にしてはならない

元内閣総理大臣 福田 康夫さん

西原春夫元早稲田大学総長や瀬戸内寂聴氏はじめ各界長老の皆さんが、「東アジア不戦」の提言をされた(本誌9月号既報)。西原氏は、提言を始めるにあたって福田康夫元内閣総理大臣に相談され、福田さんは支持し賛同されたという。米中間の争いは不測の事態すら招きかねない状況で、日米同盟関係にある日本には中国を敵視するのではなく、自主的な平和のための努力が切望されている。提言された長老の皆さんと賛同されている福田氏をはじめとする方々の努力はまことに時宜にかない、私たちの未来にとって重要な意義をもっていると考える。本誌は、今回、福田康夫元内閣総理大臣にインタビューした。(9月28日、聞き手は西澤清代表世話人。見出しを含めて文責編集部) 続きを読む


「米中を戦わせない」との提唱をしっかりと受け止める

広範な国民連合代表世話人 角田 義一(元参議院副議長)

 このたび、福田康夫先生のインタビュアーを仰せつかりながら、不覚にも前日転倒し、圧迫骨折のため入院してしまいました。そのため任務が遂行できず、大変ご無礼をいたしました。お許しください。
 先生のインタビューを拝読させていただきまして、改めて先生のご見識の高さに感服いたしました。「米中を戦わせない」、これは日本の最大の任務なのだ、国の進路だという提唱をしっかりと受け止めたいと思います。 続きを読む


[「東アジア不戦」の提唱]仲里利信さんに聞く

「東アジア不戦」を進めることは私の義務

二度と戦争をさせてはいかん

玉城デニー沖縄県知事後援会長、元衆議院議員・元沖縄県議会議長・元自民党沖縄県連幹事長
仲里 利信 さん

 戦争体験者が次々と亡くなり、戦争体験を証言する人たちが少なくなった。私は国会議員までさせてもらったので県民の負託に対して応える義務があると思っています。
 米中対立が激しくなって、いつ戦闘が起こっても不思議でない状況です。そうなれば沖縄は再び戦場となるかもしれない。そんなことを絶対に許さない責任が私にある。西原春夫元早稲田大学総長たちの提言、福田康夫元内閣総理大臣も進めようという「東アジア不戦」の運動を、沖縄で進めるのは私の役割でしょう。
 沖縄を二度と再び戦場にしてはならないからです。 続きを読む


日朝国交正常化に尽力する金丸 信吾さんに聞く

安倍首相辞任、菅義偉新政権の成立

 私は、「日朝国交正常化」に最後まで政治生命をかけたオヤジである金丸信(元自民党副総裁)に秘書として仕え、その後もずっと「国交正常化」のために取り組んできました。そうした者として日朝問題を中心に日本の在り方、あるいは安倍政権がやってきたこと、さらに菅新政権に期待することといったことをお話ししてみたい。 続きを読む


7年8カ月の爪痕と今後に向けて

安倍首相辞任、菅義偉新政権の成立

東京大学 鈴木 宣弘

国民の犠牲の上に一部の利益を追求

 この7年8カ月、一言でいえば、一部の利益のために農民、市民、国民が食いものにされる経済社会構造が徹底された。手法的には、「人事、カネ、恫喝」を駆使して、「見事に」正論を黙らせていった。
 種子法の廃止、農業競争力強化支援法、種苗法、漁業法、森林の2法、水道の民営化、などの一連の政策変更の一貫した理念は、間違いなく、「公的政策による制御や既存の農林漁家の営みから企業が自由に利益を追求できる環境に変えること」である。「公から民へ」「既存事業者から企業へ」が共通理念である。 続きを読む


菅新政権の危険な1カ月

反中国同盟と国民抑圧体制

『日本の進路』編集部

 10月17日、菅義偉新政権が成立して1カ月となった。
 わずか1カ月だが、菅新政権の政治が狙うところは浮き彫りに。多国籍大企業のためのイノベーションとデジタル化促進の「改革」、中国敵視の「米日豪印同盟」推進、国内支配抑圧体制の強化。要するに、米中対立と競争激化の世界で、日米同盟で中国を敵視しアジアの覇を狙う、財界のための「強力な国家」である。携帯電話料金引き下げなど、有権者に実利がすぐ及ぶ選挙対策は抜け目ない。 続きを読む


学術会議◆任命拒否の波紋

羽場久美子

青山学院大教授・国際政治学、元日本学術会議会員、現連携会員

日本学術会議新会員の六名を菅首相が任命拒否したことは、安倍政権の忖度政治が一歩進み、学問の自由への介入につながる大問題だ。政府の統制が、政治家・官僚・マスコミから学者へと広がりつつある。国民の自由意見の自粛・相互規制につながる。
 学術会議は三部会(人文社会、生命科学、理学工学)からなり、筆者は選考委員として参加した経験も持つ。拒否された六人はすべて人文社会の学者だ。法学、政治、歴史、宗教。広く社会を、民主主義・自由主義の観点から批判的に分析し、いわば政権を監視する学問である。 続きを読む


菅義偉新政権の成立 ■ 安倍政権崩壊は必然

新しいグランドデザインが求められている

『日本の進路』編集部

 9月16日、国会で菅義偉首相が選出され、新政権が発足した。
 7年8カ月に及ぶ安倍政権は、首相が政権を投げ出して崩壊した。全国の自民党員による党員投票すらなしの総裁選出であった。公明党は、節操もなく今回も連立で政権に加わった。菅新首相と関係が深いといわれる日本維新の会は、事実上の与党である。 続きを読む


コロナ禍の労働者 ■ 生活と権利のための中小労組の闘い

団結し闘えば要求は実現する

国一般労働組合福岡地方本部北九州支部
執行委員長 山岡 直明

ストライキで春闘を闘う

 全国一般北九州支部の2020春闘要求は、春闘アンケートに基づき月額賃上げ3万円をはじめとする統一要求を決定し、3月3日、北九州労働会館において、組合加盟企業経営者を一堂に集め、統一要求団交を開催した。統一団交では、支部から統一要求額の説明、働き方改革関連法による労働法規の改正の説明を行い、各分会長からは、分会独自の要求の説明と闘う決意を表明する。この取り組みは、1996年から毎年続けている。 続きを読む


[「東アジア不戦宣言」の提唱を受けて]西澤 清

「東アジア不戦宣言」の運動の前進のために

広範な国民連合全国代表世話人、元日教組副委員長 西澤 清

 このたび、西原春夫さん(早稲田大学元総長)や瀬戸内寂聴さんなど85歳以上の「長老」20名が、「2022年2月22日22時22分22秒に東アジア全構成国の首脳が」「①あらゆる対立を超えて人類全体の連帯を図り、人類絶滅の危機を回避するよう努力する、②少なくともまず東アジアを戦争の無い地域とする」ことを内容とした、「共同宣言、又は個別同時の宣言を発出すること」を提言した。
 その趣旨と心意気にはまったく賛成である。 続きを読む


[「東アジア不戦宣言」の提唱を受けて]角田 義一

長老の提言に賛意を表します

広範な国民連合全国代表世話人、弁護士、元参議院副議長 角田 義一

 各界長老が連名で発表した「東アジア不戦の提言」について全面的に賛意を表し、微力ながらその実現に向けて努力したいと存じます。 続きを読む